歓喜の表彰台 〜コンバインドW杯 団体戦 Lillehammer2〜
1はこちら↓
今季の北京五輪では、本気でリレハンメル五輪以来の団体メダルを狙っている日本チーム。
渡部暁斗さんの過去の戦績を眺めてみると
団体戦で表彰台に上がっているのは、過去3回
1度目は、2009世界選手権の金メダル
2度目はRuka
3度目はOberstdorf
伝説になりつつある、2009世界選手権は一旦置いておいて
2度の表彰台はいずれもラージヒル。
直近のOberstdorfはオーストリアのアクシデントがあった面も大きいため
団体戦での戦績は芳しいものとは言えません。
世界選手権とオリンピックの団体戦はノーマルヒルで行われ
そこでの表彰台は皆無に等しい状況です。
そうした中、五輪の前哨戦となる今回のノーマルヒルで行われる団体戦
貴重な実戦の舞台となりました。
Rukaから今ひとつジャンプの調子が良くない日本チーム
Rukaの大きいジャンプ台からのノーマルヒルということもあって
そこにもやや苦戦したらしく
前半のジャンプでは大きく出遅れることとなりました。
オーストリアと5秒差という、なんとか3位争いをできるタイム差なものの
2009世界選手権以来、走り勝って表彰台を掴み取ったことはありません。
走力がアップしているとはいえ
オーストリアの方が日本より走力がある布陣。
厳しい戦いになることは間違いありませんでした。
追いつき、粘り、走り勝つ
スタートリスト
細かい作戦はよくわかりませんが
結果的に経験の浅い順に並べた日本チーム。
タイムレースの結果等で、谷地宙なら追いついて粘れると考えたのでしょう。
作戦通りに谷地宙が追いつき、まずは3位争いができる体制に持っていきました。
2走の山本涼太も、走力がかなり高いFritz相手に粘り
渡部善斗さんは、ラストでやや置いていかれ10秒ほど離されたものの
渡部暁斗さんに繋ぎエース勝負の舞台を整えました。
現状の走力だとLamparterの方がちょい上
クロカンのみの成績表↓
普段ならLamparterは良いペースで突っ込んでいくのですが
コースコンディションからか、やや抑え気味で引っ張っていました。
2周目になると、暁斗さんが前に出て
ゴール前で戦う体制に入るLamparter。
スタジアム前の登りからポジション争いをし、ゴール前ストレートで勝負が決するのですが
ゴール前ストレートまで渡部暁斗さんが優勢で勝負を進め
ストレートでも優勢のままゴールに入りました。
お互い足を投げ出してはいますが、2足分くらい差があり
Lamparterはギリギリで足を出したというよりも
「あわよくば刺せるかな?」くらいの気持ちで出しているので、暁斗さんを確認しながらゴールしています。
暁斗さんのコメント↓
ノーマルヒル団体戦での表彰台
追いつき、粘り、ゴール前の攻防と見どころたっぷりの3位争いは非常に面白かったです。
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こちらで↓
ジャンプ1割減、クロカン1割増しで団体戦はどうなるんだろう?
このようにコメントしましたが
Liberec以来の
ノーマルヒル団体での表彰台の獲得となりました。
ここから更に、ジャンプを去年の水準まで上げられると
北京でのメダルも見えてくるかも知れません。
オーストリアの思惑
オーストリアチームの布陣は不可解でした。
差がつきにくいノーマルヒルなので、Siedlを使わないという選択肢はあるかも知れませんが
2番手のGreidererを使わず
更に起用したのが、調子が悪くてRukaに来ることができず
故障したっぽいRehrlの入れ替わりで入ったKlapferを起用しました。
経験あるKlapferですが、明らかに精細さを欠いており
個人戦では30位以内にすら入れていません。
現状はオーストリアで8番手の実力なのでしょう。
結果的に実力を隠すような1.5軍の布陣で団体戦に挑み
日本と互角に戦いました。
北京五輪のメダルに向けて
ドイツvsノルウェーのゴール前の戦いと
日本vsオーストリアの戦いを比べると↓
Riiberのカーブのスピード感等、桁違いの技術があり
ゴール前では勝負にならないと思います。
雪質等にもよりますが、金メダルを取るには
ドイツ、ノルウェー相手に少なくとも2分半のマージンをジャンプでつけなければいけないと思います。
また、3位争いをするにしても
オーストリアがGreiderer斗Siedlを使ってくるとなると
ジャンプの威力は大幅に増し
走力は今回の布陣とトントンか
滑走順番によって、一緒に走る選手や展開が都合良く行くと
走力すら増す可能性を秘めています。
何が起こるかわかりませんが
北京でのメダルは、現状では厳しめ
ジャンプの状態が上がってくると、可能性が増えていく
という感じに、個人的には見ています。
ただ、日本チームも下から山本侑弥が上がってくることが
ほぼ確実であり
その山本侑弥を、ジャンプの結果次第では上回ることができる小林朔太郎も控えています。
通常であれば、木村幸大と小林朔太郎は入れ替えそうですが
残念ながら入れ替えに関するルールがないため
どうなるかわかりません。