試合で成長する 〜19歳の若き世界王者誕生〜
ノーマルヒルの個人戦の後に書いた文章です
Lamparter(AUT)に関してこう書きました。
脇目もふらずハイペースで突っ込んでいくLamparter。若さゆえの勢いか、無謀にも見えましたが、良いペースで突っ込んでいき、高速集団の吸収がやや遅れました。
この走りによって手応えと自信をつけた彼は、団体戦でも同じ仕事をこなしました。
そして昨日、暁斗さんと22秒。Riiberと37秒という微妙なタイム差ながら、先頭を突っ走り、王者Riiberを諦めさせ、暁斗さんを寄せ付けませんでした。
その走りっぷりは「世界ジュニア選手権王者」ではなく真の「世界選手権王者」でした。
試合で成長する
ノルディック複合が好きとはいえ、スキージャンプほど選手を網羅していません。
昨年までに、コンチネンタルカップや世界ジュニアなど、活躍はしていたみたいですが
今シーズンの開幕戦で初めて見ました。
Rukaでのワールドカップ開幕戦。
今年も覇権を握るのはノルウェーのジャンプ選手相手に表彰台を脅かす調子のRiiber。
と思いきや、前半トップに立った彼。前半終わった時点で私の印象は
よくいる「ジャンプぶっ飛ぶけど、走れない選手」
なんて思っていました。
ところが、32秒差で追ってくるRiiber相手に粘って2位を獲得。
普通に走れるんだなと、感心してしまいました。
個人での表彰台は開幕戦だけ。
普通に考えると金メダル候補に挙げるのは難しいところ。
しかし前述した個人ノーマルヒルで手応えを掴み、団体戦で手応えを確実なものに。
そしてこの日、その成果を出すべく、スタートから突っ込んでいきました。
個人戦の日は半信半疑だったかもしれませんが、今日は堂々たる走りでした。
前の2戦よりも、やや雪が柔らかくスタミナを消耗しやすい条件ながら、疲労でフォームが崩れても、しっかりと身体を動かし続け、7.5キロ通過時に勝負を決め
ゆうゆうのウィニングランを決めました。
19歳の若き世界王者誕生。すごいの一言に尽きます。近々、ワールドカップを支配する選手になるでしょう。
雪質の変化と諦め
4.1キロ付近で暁斗さんに追いついた後
終始、暁斗さんを風除けにして隠れていたRiiber。いつものように、勝負どころで爆発的なスプリントを見せて、簡単に銀メダルを獲得しました。
暁斗さんとRiiberのやりとりがこちら
ノーマルヒル個人と団体戦の時と比べ、雨が降った影響か、コースがやや緩んでいました。
そのため、ややタフな雪質になった分、暁斗さんに追いついたところで疲弊してしまったそうです。
Lamparterが良いペースで快走していただけに、4.1キロ地点で暁斗さんに追いついたものの、トップとの差は30秒。
4割終えて5秒程しかトップとの差を縮められなかったのは、暁斗さん同様に精神的なダメージがあったのかもしれません。
しかし、個人的には2人で追う姿を見たかったなと思います。
Riiberはクロカンでもラップタイムを獲得できる選手です。それだけ、走りも期待しています。
既に金メダルを二つ獲得しており、精神的にも強気でいけなかったのかもしれません。
これが金メダルを取れていなかったり、ノルウェーでの試合であれば、必死で追う姿を見れたかもしれません。
少し残念でしたね。
また、顔を歪めつつある暁斗さんの後ろで、涼しい顔をしているようにも見えたので、日本のコンバインドファンには顰蹙を買ったのではないでしょうか 笑
繰り返しますが、少しでも追う姿が見れれば良かったのですが
追いついて早々に諦めて、銀メダル獲得のための勝負に徹していたので、そこが見栄えが悪かったなと思います。
また、タイム差が開きすぎて、4位からの猛追がないので、そこを鑑みるとRiiberのチャレンジが見たかったですね。
リザルト
残すはチームスプリント。
とにかく気持ちよく飛んでいってほしいな、というのが願いですね。特に山本涼太は厳しい追い風に抗う、素晴らしいジャンプでした。
あのジャンプを良い条件で見たいですね。スーパージャンプが見れると思います。
ちなみに、私は今日の宮様スキー大会ノーマルヒルは4位でした。
「風に抗う良いジャンプ」をしましたが表彰台が遠かったです。。。