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20–21スキージャンプW杯 Rsnov 混合団体 〜層の厚さと競技力の差〜

まずはこちらをお読みください↓

世界選手権、スキージャンプ混合団体の前哨戦が行われました。

プレビュー通り、日本チームの陣容は丸山希、佐藤幸椰、高梨沙羅、小林陵侑。

#直前は違う陣容で来ると思いました

全員が好調であれば、ノルウェーチームとも互角に戦える陣容。裏に控えている伊藤有希や佐藤慧一でも十分に戦える実績を持っています。

混合団体の層は厚い日本チーム。それでもオーストリアとの激闘の末4位となり表彰台を逃しました。。。

リザルト↓

最強ノルウェー帝国

男子はスーパーGranerud、Tande。女子はOpseth、Lundby。全員が個人の表彰台に立てる陣容。

Lundbyが不調気味なので、世界選手権ではわかりませんが、この大会に関していえば一分の隙もありません。

2本目の3番手までは、2位スロベニアと同点でしたが、結局23.4点差の圧勝でした。

インタビューでは「緊張感があった」といっていましたが、絶対に負けられないという圧倒的優位な緊張感だったでしょう。

世界選手権でも本命です。

最強軍団に食らいついたスロベニア

女子は総合トップのKriznarと表彰台争いできるKlinecの二枚看板。女子最強の陣容ですが、今回男子は1.5軍の派遣。

C.PrevcとJelarという大人しめの選手たちで、女子と男子でチグハグな陣容。

プレビューでは日本が負けてはいけないチームということで名前をあげました。

しかし蓋を開けてみると、女子の2枚看板が猛威を振るい、C.Prevcが大車輪の活躍でノルウェーチームを脅かし続けました。

ラストジャンパーのJelarがスーパーGranerudに差をつけられましたが、2本目のKlinecが飛び終えてノルウェーと同点という、大立ち回りを演じました。

世界選手権ではLanisekなどエースが復帰するので、ノルウェーをさらに脅かせるはずです。

王国の意地オーストリア

男子は2軍なのか2.5軍なのかわからないようなメンバー。

しかも、女子も今季圧倒的な力を誇っていたKramarが、コロナ陽性の疑いで帰国という「飛車角落ち」状態で臨んだオーストリアチーム。

若手枠のTschofenigを除いた3人の平均年齢はなんと34.6歳。18歳のTschofenigの2倍近い年齢という陣容でした。

#パフォーマンスが面白かった

Pinkelnigの1本目やDanielaの2本目など、失敗ジャンプがありながらも日本との戦いを制し、強かに3位を獲得してきました。

前述した通り、女子の2人はお互い1本づつ失敗しているものの、1本づつ成功ジャンプも決めており、仕事を果たし。

TschofenigとFettnerも、前日の個人戦でトップ10に入った調子そのままに、良いジャンプを積み上げました。

特にFettnerの2本目。前日優勝した小林陵侑が会心のジャンプを決め、プレッシャーをかけたかに見えました。

それでもゆるがず、さすが百戦錬磨。自分のできる最高のジャンプを決めて、オーストリアを表彰台に導きました。

今までの出場した団体戦では「つなぎ」の役目が多かったはずです。

しかし、今日の役割は「エース」。その仕事をしっかりこなす姿に、脱帽するしかありませんでした。。。

日本チーム

前半2人の談話↓

試合が始まる前の下馬評より、ややパフォーマンスが下回った2人は悔しさを滲ませています。

今季ノーマルヒルにアジャストできていない丸山希。

今日は2本ともタイミングが遅れ、大人しいジャンプでした。

わりと団体戦では、きっちり仕事をしてきた選手なので、言葉以上に悔しさを噛み締めているのではないでしょうか。

移動などで、ほとんど体の調整できなかったであろう佐藤幸椰。日に日にジャンプはよくなり、今日の2本はまとまっていました。

過密スケジュールや移動の失敗などで、身体の調子とともにジャンプの調子を落としているようにも見えます。2月27日まで、やや時間があるので整えていきたいところ。

この日の2本は硬さが見えた高梨沙羅。
個人戦の時より、明らかに動きが硬い高梨沙羅の姿を目にし、少しばかり不安を抱きました。

前日までは、国内戦の時のように余裕を持って飛んでいましたが、この日の2本は伸びがなく慌ただしく着地したような感じ。

見た目や感覚が悪くないのに、飛距離がなぜか2割減したような印象に見えました。こういったジャンプが出てくると、技術的な反省の余地がないので少し心配です。

2本とも良いジャンプをしてきた小林陵侑は、心配なさそうです。特に2本目はガッツポーズを決め、会心のジャンプだったと思います。

最高の形で世界選手権を迎えられ、期待できそうです。

選手層の厚さとマインド

表彰台に上がった、スロベニアとオーストリアの男子チームはいずれも2軍。

それでも両国共、「エース」と呼べる活躍をする選手がいました。

特に今のオーストリアチームは下部大会や、ジュニア大会で上位を総ナメしています。

その競争力。そして強国として国を背負った時の強いマインドを、Fettnerを通じて垣間見ることができました。

少しおこがましい仮定の話をします。

もしも私が絶好調でワールドカップチームに合流し、団体戦の4番手に抜擢され、前日の優勝者とマッチアップした時に戦えるか?戦えずとも会心のジャンプを決められるか?チームを勝利や表彰台に導けるか?

答えは否でしょう。

そもそも、世界選手権の金メダリストと比べるのは「おこがましい」ですが

私のポジションでも「おこがましい」で終わらせてはいけない気がしました。

#ましてやワールドカップを狙っているなら

今、国内でトップを争っている選手が腐らずにマインドをもっと上に向けて、競技力を上げてこそ日本が強くなる。

そう強く感じさせる試合でした。

#もっとチャンスは欲しい

#環境も大事

とはいえ、選手生命を脅かされている身なので、中々難しい面もありますが

ここから上に上がっていくには、何かしらのマインドチェンジは必要だなと思います。

なお、個人的にナショナルチームに入ったことないし、国の代表として戦った経験も0に等しいので、中々難しい問題です 笑

こういうのってジュニアチームの選手が、感じなきゃいけない問題ですよね。。。

終着点にこちらに繋がるのかな↓



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