
前人未到へ 〜21/22スキージャンプW杯 個人第12戦 Bischofshofen〜
湿った雪が降る難しい条件の中
この日、仕切り直しの予選を勝った陵侑。
やっぱりBischofshofen得意なのねと苦笑いするしかない。。。
逆の状況
今のポーランドチームを育て
ドイツを最強に仕立て上げている途中の名将ホルンガッハー
「総合優勝には陵侑のミスを待つしかない」とコメントしていました。
むしろ逆の状況。陵侑が相手のミスを待っている。
___________________
この日1本目にトップに立ったのは再三推しているLindvik(NOR)
5.7点差という少なくはないマージンを手にしました。
しかし2本目、完璧な踏切を決め「シメた」と思って前傾をかけたところ
後半の追い風に捕まり、リカバリーが効かず
さらにはトップに立つ目安のグリーンラインを意識するあまり
着地でバランスを崩しました。
無理に粘らず、ビタランを決めていれば
マキシマムで行き過ぎなければ、、、
逃げ切れた可能性があったと私は考えています。
対して、淡々と自分のジャンプを積み上げた陵侑。
1本目は雪が降りしきる中でゲートを待たされ、かなり厳しい条件でも2位につけ
2本目は、アプローチがビシッときまり
2段下がったはずのゲートで1本目と変わらない助走スピードで滑ってきました。
まずまずな飛距離だったので吠えはしませんでしたが
滑りからのジャンプ全体で見ると、今季1番良いジャンプだったのではないでしょうか。

ラウンド2位のGeiger相手に6.2点離す圧巻のジャンプでした。。。
結果、4.7点差をつけて勝利を収めグランドスラムにリーチをかけました。
本人は「1勝を目指す」と口では言ってましたが
間違いなく意識をせざる得ない状況でしょう。
ただ、運営や選手、ファン、誰もが実力では陵侑が1番とわかっています。
それでも簡単に勝てないのがスキージャンプ。
そうした中で勝つのが小林陵侑。
こうなってしまえば、昨日から言っていますが
私は彼がグランドスラムを達成するのを確信しています。
まあ、誰かがスーパージャンプを2本決めてグランドスラムを止め
咆哮するのをみたい気持ちも0ではありません 笑
脅威のスキー操作
Fettner(AUT)の話をしておきましょう。
Rasnovの混合団体で私は彼のファンになりました。
層の厚いオーストリア。
もう年齢もいき、やや干され気味だった中で
チャンスで大車輪の活躍を見せたFettnerに私は魅了されました。
若手の猛追を振り切り、なんとかAチームに帯同し続けている今季。
魅せました。
アルペンスキーのMillerを彷彿させる片足でのスキー捌きです。
実は彼はこれを2度目。
スキーが外れるのが、そもそも問題ですが
こうして転倒ラインまで粘り、減点されず
さらには1本目に本国のエースKraftとのマッチアップで打ち負かし
同国のHoerlと同一順位の5位に入りました。
色々すごいなと思います。
オリンピックに出れるといいですね。
日本チーム
完全に息を吹き返した佐藤幸椰が今日もトップ10で10位。
もうちょっと上に行けるかと思いましたが、難所のBischofshofenにやや苦戦した様子。
今日の方が期待できると思います。
19位に小林潤志郎さん。
良い感じに安定してきて、あわよくばトップ10も狙えそうなジャンプになってきました。
団体戦が楽しみです。
伊東大貴さんが24位。
マッチアップでは敗れたものの、ラッキールーザーで2本目に進出
久しぶりに10番台の成績が見えました。
1本目の視界が悪い条件は、改修前のこの地でヒルレコードを出したような条件。
こちらに動画あり↓
良いジャンプでした。
31位に中村直幹。
難しいジャンプ台、厳しい条件に飲み込まれました
1本目はラッキーウィナーとなり2本目に進出したものの
転倒したものの長距離飛行で救済されたKosに上回られ
ポイント獲得とはなりませんでした。
どれだけ修正してくるか注目です。
_______________
今夜はどうなるにしてもスキージャンプ史に残る1戦となるでしょう。
誰がなんと言おうと、私はグランドスラムが観れると確信しています。
どんなドラマが起こるか再注目です。