勝負の流れを読む 〜渡部暁斗さんの問いかけ〜
少し前にこんな記事を書きました
「予想して駆け引きなどを楽しむ」ノルディック複合競技の見る魅力もそこにあるんですよね。。。
まあ、どのスポーツにもいえそうなことですが、これが醍醐味の一つです。
さて、団体戦の競技終了後に渡部暁斗さんがこんなツイートをしていました。
団体戦ならではの順番決め。皆さんならどう決めるか?という問いかけでした。
ちなみに日本チームの今回の作戦はこんな感じらしいです↓
後出しではありますが、このように考えていました。
前半ジャンプが終わった時点で、ちょっとメダルが厳しそうだなーという印象。
思考停止気味に山本涼太、永井秀昭さん、渡部善斗さん、渡部暁斗さんと考えていました。
注釈:私はノルディック複合選手を心から尊敬しており、この競技の難しさを中からも外からも痛感しております。
そうした中での一ファンの目線です。
展開を予想する
前述しましたが、日本チームがメダルを取るには不測の事態が起こらないと厳しい状況だったと思います。
そもそも、団体戦に関してはコース状況的に厳しい展開が予想できていました。
一方で団体戦は走力がないと厳しいなと感じました。
差がつかないノーマルヒル、ジャンプの1ポイントにつき1.333.....秒という、なけなしのタイム差。
「パワーを要しそうなスピードコース」ということもあって、あまりメダルへの道筋が、多くなかったのではないでしょうか。
前半トップで折り返し、あわよくば1分ほどマージンが欲しい。
その状況でどうにか勝負ができるような、力関係だと考えていました。
そうした中で前半のジャンプは3位。おそらく、メダル争いをするであろうオーストリアと30秒差ビハインドでのスタートは痛恨でした。
そうした状況での思考停止予想が前述した
ちょっとメダルが厳しそうだったので、思考停止気味に山本涼太、永井秀昭さん、渡部善斗さん、渡部暁斗さんと考えていました。
という予想です。コンセプトとしては、粘りに粘って何か不測の事態を待つ。という感じ。
ポールが折れたり、コースを間違えたり、接触して転倒したりなど
意外と後半クロスカントリーでのトラブルはつきものです。
そうした中で、日本チームのオーダーは若干驚きましたが、理にかなったものでした。
暁斗さんの1走でオーストリアを追いかける。
早々に集団にしておいて、粘りに粘って、不測の事態を待つという感じだったのでしょうか。
各国のオーダー
悩んだっぽい日本と同様に、そこそこマージンを取れたオーストリアも悩んだことでしょう。
先頭で走りなれているLamparterが1走は固定としても、走力が微妙なSidleの置き場所によって、メダルの色が変わる可能性がありました。
一方で、ドイツとノルウェーは作戦を組まずとも「地力の差で追いつくでしょう」という想定で、走力が低い順に上から並べてきました。
強者たる余裕というか、戦術が必要ない強さに、どのチームも憧れると思います。
レース展開
オーストリアのLamparterが、個人戦の時と同様に快調に先頭で飛ばしていき、しっかり仕事をこなしました。
一方で日本チームとしては当てが外れてしまい、前半ジャンプで厳しい状況から、1走で更に厳しい状況になってしまいまい苦戦。
ノルウェー、ドイツとしてはウィークポイントの走者の所に
暁斗さんがいたので、後ろについて走り、比較的ラッキーだったのではないでしょうか。
動いたのは2走目。オーストリアのKlapferの調子がイマイチで、ノルウェーに逆転を許しました。
またドイツもRiessleにしては、やや動きが重く、ノルウェーには離されオーストリアとも想像していたよりも差が縮まりませんでした。
そのため、永井秀昭さんが後ろについて走ることができ、日本チームとしてはまずまずだったと思います。
ノルウェーは独走体制を築き、3走オーストリアのウィークポイントの所に、ドイツが猛追を仕掛けて逆転し11秒離すことに成功。
日本もまた4位の独走となり、この3走で勝負が決すことになりました。
個人的にスタート前には、フィンランドにも抜かれてしまうのではないかと懸念していました。
メダルがかかっていたら、フィンランドのエースHerolaの猛追が来たかもしれませんが、個人戦に向けて温存したようなタイムでした。
リザルト
ジャンプ、クロカンのレーティング
感想
ラージヒルでやって欲しいな。。。という感じですね。
リザルトを見ると、クロスカントリーの順位でほぼ決まってしまったような印象です。
いや、ノルウェーが強すぎただけですね。ラージでも変わらなかった気がします。
日本のクロカンチーム、コンバインドチーム共に難しい局面に入っています。
レースの高速化にチームとしての対応ができていない感じ。
遅い選手がある程度早くなる強化ができても
ある程度の速さから、殻を打ち破るような成長に困難を極めています。
コンバインドチームは、ジャンプの強化には成功しているので
このワールドカップに出場していない選手でも、戦える選手は数多くいますが
ジャンプを飛んで粘るタイプの選手しかおらず、基本的にクロカンで勝負できる選手はいません。
そもそも、日本のクロカンのトップである馬場直人ですら
5kmや10kmなどの短めの距離だと、コバインドの世界でトップを取れるのか微妙なところのような気もします。。。
一方で宇田崇ニのように
クロスカントリー競技でも少ないトレーニング時間で、競技力を向上させる術もあるみたいなので
何かがうまく噛み合うことに期待していきたいですね。
また、国内の選手達もチャンスがなく大変だと思いますが
飛べる選手は日本に多くいると思うので、思い切ったトレーニングシフトや強化方針の見直しが必要かもしれません。
日本のウィークポイントに合った選手になれれば、奇跡が起きる可能性も0ではないような気がします。
多くの問題や葛藤を抱えながら、力強く競技力を向上させていくノルディック複合選手を
心から尊敬し応援しています