2年3ヶ月続けてきたnote定期購読マガジンを今月で廃刊します
どうも、エンジニアのgamiです。
僕は2020年9月に個人でnote定期購読マガジンを創刊しました。マガジンの名前は「仕事を楽しくするデジタルリテラシー読本」。主に非エンジニアの方に向けたテクノロジーやソフトウェアにまつわるコラムを書いてきました。
ありがたいことにマガジンを購読してくれる方や記事を購入してくれる方もチラホラいて、それを励みに毎月数本の記事を投稿し続けてきました。
また、書いた記事がインターネット上でちょっとした話題になったこともありました。
そんな2年3ヶ月続けてきたnote定期購読マガジンを、2022年12月末で廃刊します。ここではその廃刊の理由や、noteを書き続けてきた所感などを記します。
定期購読マガジンをはじめた理由
そもそも僕は2017年頃から、発信する内容、媒体、ターゲットを少しづつ変化させながら、アウトプットを続けてきました。
2017〜2021年: エンジニア向けのポッドキャスト『しがないラジオ』で、主にエンジニアのキャリアについて話す
2018〜2019年: 書籍『完全SIer脱出マニュアル』でSIerのエンジニア向けに転職活動の仕方やキャリアの考え方をまとめる
2020〜2021年: YouTubeチャンネル『デジつよ』で非エンジニア向けにデジタル関連トピックの解説動画を投稿
2022年: Udemyコース『Googleタグマネージャーと始めるJavaScript入門』を公開
こうした発信は僕の中では趣味的なモチベーションによって続いており、特にお金を儲けたいとかバズりたいといった強い目的はありません。価値があると自ら信じられる情報を、それを必要とする人に向けて発信し、多少のフィードバックを貰う。そのサイクルを回すのが楽しいという気持ちで、細々と6年間も発信活動を続けてきました。
特に最初の本格的な発信活動であるポッドキャストでは、割とリスナーさんの支持を得ることに成功しました。具体的には、Twitterのハッシュタグで定期的に感想やゲスト出演希望が寄せられたり、番組のオフ会をしたら50人くらい集まったりしました。これが僕の最初の成功体験でした。
2019年までは、若手エンジニア、特に「SIer出身エンジニア」に向けたキャリアに関する発信を続けてきました。一方で3年間ほどそういった発信を続けた頃、僕自身のキャリアとしてもSIer歴より現職の在籍歴の方が長くなり、また書籍を書いたことで自分の中で一区切りが付いてしまいました。
note定期購読マガジンを始めた2020年9月は、「非エンジニア向けに技術的な知識をわかりやすく伝えたい」という思いが強くなっていた時期でした。僕がnoteに投稿した最初の記事でも、その思いが綴られています。
ちなみに当時の構想では、noteとYouTubeをうまく連携させながらインパクトを出そうとしていました。noteでは抽象的でちょっと難しい内容を発信し、YouTubeではより具体的でわかりやすい解説動画を投稿する。YouTubeで僕の発信に興味を持ってくれた人に対してnoteの宣伝をすることで、noteの読者を増やすことを目論んでいました。
また、お金を儲けることが本来の目的ではない中で、あえて有料サブスクの「定期購読マガジン」にしたのは、次のような理由からでした。
記事単体が広く話題になるよりも、マガジンを継続的に読んでくれる少数の読者が欲しかった
あわよくば、マガジン購読者の方々を集めてコミュニティ化して交流したかった
月額でお金を頂くことで、定期的なアウトプットを自分に強制したかった
また、お試しで記事を読めるように書く記事は都度購入ができるようにしました。
noteを書き続けてよかったこと
定期購読マガジンの強制力に駆り立てられて、僕は約2年間、noteを毎週のように書き続けてきました。それによって良かったことは3つあります。
1つは、考える時間を強制的に取れたことです。自分が興味を持ったトピックでも、それをテーマに文章を書くには改めてそのトピックについて深く考えたり周辺知識を調べたりする必要があります。これは漫然と生活していてもなかなかできないことです。たとえば次のようなテーマで文章を書きました。
ソフトウェア開発
内製化/デザイン…
デジタル界隈用語
クラウド/IaaS/SaaS/NoCode/DX/ブロックチェーン…
プロダクト
スプレッドシート/Shopify/Zapier/Figma/Vrew…
技術
JavaScript/SQL/Cookie…
その他
セキュリティ/生産性/動画制作…
これらのトピックについて改めてじっくり考える時間を取ったことで、自分の中での話やロジックの引き出しが増えました。
2つ目は、記事という資産を量産できたことです。noteマガジンに登録した記事の本数は現時点で96本。投稿ペースで言うと、毎月約3.5本の記事を書いてきたことになります。1記事の長さは4,000字を目安にしていたので、単純計算で毎月14,000文字、累計で384,000文字ほどをインターネットに残し続けてきたことになります。何かの登壇資料を作ったり記事を書いたりする必要が出たとき、これらのnoteが良いネタ帳になっています。また、過去に書いたnote記事をきっかけに僕に興味をもってくれる人も定期的にいるようです。
3つ目は、僕が書いた記事にお金を払ってくれる人の存在が自信につながったことです。本業では会社からお給料を貰っていますが、全ての自分の仕事で「それがお金につながっている実感」を必ずしも得られるわけではありません。その点、自分が書いたnote記事を読者の方が直接お金を払って買ってくれるというのは、自分が価値を生んでいるという実感をより直接的に得られる特別な体験でした。ましてや毎月500円を払ってマガジンを購読してくれる人が複数人いるという事実は、大きな自信になっていました。
マガジンを廃止する理由
そんなメリットたくさんのnoteマガジン運営でしたが、最初に述べたように今年の12月末で廃刊します。一言で言えば、noteを書くためのリソースを別の活動に振り分けたくなったというのがその理由です。
2年3ヶ月も経つと、色々と状況も変わります。最も大きな出来事は、3月に子供が生まれたことです。noteは土日に書くことが多いのですが、オムツ替えやミルクなどの子育てタスクが定期的に挟まるので、まとまった時間を取りにくくなってしまいました。そんな中で、気付くと「noteまだ書いてないなあ」という後ろめたい気持ちをいつも抱えているようになりました。それが地味に心の重圧になっていました。
仮にnoteマガジンの購読者が伸び続けていれば、noteを書き続ける気力がもう少し湧いたかもしれません。しかし実際にはそんなに甘い話はなく、購読者数も10人弱を行ったり来たりする状況が続きました。じゃあ宣伝を頑張ればいいじゃないかという話もありますが、宣伝を頑張るほどのモチベーションも無かったというのが正直なところです。まさにモチベーションを上げるためのモチベーションもない状態で、毎月の投稿ノルマを達成するために最低限の努力をズルズルと続けていました。
そんなモヤモヤを抱える中で、2022年にUdemyコースを公開し一定の手応えが得られたというのが一つの転機になりました。5,000円近い有償コースにも関わらず受講生の数は累計100人を超え、好意的なレビューも多く頂きました。割引やマージンも多いので利益としてはそこまで大きいものではないですが、それなりのお金も継続的に入りそうで、それもモチベーションにつながっています。
僕は「技術的なことをわかりやすく解説すること」が得意です。特に動画や口頭でそれを説明することについては、UdemyやYouTubeでも、仕事の中でも、一定の評価をされている自負があります。真に得意なことを活かすという意味でも、抽象的な文章を書くよりは、より具体的な「解説」に力を入れてく方が良いかなーと感じるようになってきました。
そんなわけで、限られた可処分時間の中での優先順位を考えた結果、今回noteの定期購読マガジンを廃刊するという決断をしました。今月あと3本ほど記事を公開して、マガジンへの記事追加は終了となります。
その後の発信活動としては、しばらくは新たなUdemyコースの作成をメインに据えつつ、Udemyコースの宣伝がてら無料の動画もYouTubeに上げられたらと考えています。
改めて、僕のnoteマガジンを購読頂いた皆様、長らく支援いただき本当にありがとうございました!今後も別の形で発信活動を続けていく予定なので、よければ引き続き応援よろしくお願いします。
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