ニューヨーク(お笑い)が好きな芸人2年連続一位らしい。ふーん・・そもそもテレビなんてもう見られてねえよ。今の芸能人って可哀想だよなぁ。つくづく残念な時代だ

テレビが終わったと言われて久しい。
YouTubeが普及し、アマプラやNetflixなどの定額配信サービスも世の中に定着し、インスタやtiktokなどのSNSはほぼ国民全員がやっている時代。
受け取れる情報も、発信するツールも無限に溢れるこの時代、もはやゆっくりお茶の間でテレビを見るような層はじいさん、ばあさんぐらいしか残って居ないのである
そのせいで最近はゴールデンでも5%いかない番組はざらという有り様。そこに録画視聴を加味してもせいぜい上乗せ1%ぐらいというのだから今さら言うまでもなくテレビ離れは深刻である。

あのウザいAKBが出てきたぐらいからテレビや日本のエンタメの本格的な凋落が始まったと記憶しているが、どうだろうか。少なくとも筆者はあのあたり(2010年以降)から確実にテレビを見なくなった。
面白いテレビの記憶を思い返せば、その殆どが2005年以前だ。単なる懐古趣味だろうと言われればそれまでだが、では今のテレビから未だに昭和歌謡や平成ヒットソングばかりが流れてくるのは何故だろうか。今のテレビには若いタレントではなく、昔から出ている有名タレントばかりが使われるのは何故だろうか。
悲しいかな、それは今の時代のエンタメのパワーが極端に弱まっているからに他ならない。ヒットソングもヒット番組も何もないから、今のテレビ自体が昔の古き良き時代の懐古趣味の箱と化している。それは紛れもない事実なのだ。だからテレビ干されて10年もブランクあった50過ぎのヒロミがあっさりとゴールデンのMCに戻ってこれたりするし、石原良純や長嶋一茂なんていうオッサン二世タレントが今さら旬のタレントのような顔をして、色んな番組に引っ張りだこになっているのだ。

さて本題のニューヨークだが、筆者はその存在は数年前から知った。筆者は昔からお笑いに関心があるほうで、ニューヨークのYouTubeチャンネルなどもたまに見ていたりしていた。漫才もコントも出来て実力のある二人組だし、特に屋敷はトークの聞き手をさせたら抜群に上手い。だから別にニューヨークに関してどうこうケチをつけるつもりはない。むしろ筆者はどちらかというとニューヨークを応援している側の人間である。

だが世間は思っているよりニューヨークについて疎いし、お笑い自体に興味が薄いように思う。M-1などの影響で一部のコアファンは増えたが、昨今のテレビ離れも手伝って「お笑いにとことん詳しい人」と「全く知らない人」の2極化が出来上がってしまったように思う。
ニューヨークは間違いなく今一番の売れっ子のお笑い芸人であるが、その存在を知らない人は筆者の周りにもまだかなりいる。(昔はコアなお笑いファンこそ少なかったが、売れているお笑い芸人の名前ぐらいならば皆が知っていた)
お笑いファンではない世間一般からすれば、ニューヨーク?あぁそういえばテレビかどこかで見た事あるかもしれない、ぐらいのポッと出のお笑いコンビというイメージだろう。
一般的にニューヨークの知名度調査を行ったら、認知度はせいぜい50%あるかないかだと思う。屋敷と嶋佐の名前を知っているか、二人の簡単なパーソナリティ(キャラクター)まで知っているか、までの認識を求めれば更にその数字は2割以下となるはずだ。
何度も言うが別にニューヨークが芸人として力不足だとかタレントとして魅力無いとか、そういう野暮な事を言いたいが為にこんなNOTEを書いているわけではない、「現在のテレビの惨状」について言いたいのである。(ニューヨークの面白さ、能力の高さには一つの疑いの余地もない。)

そもそも今のテレビは何をやっても見てもらえないのだから、知ってもらう事やファンを増やす事は昔のように容易では無い。
そんな状況下でもニューヨークは今の時代にあった戦略、つまりYouTubeやSNSを上手く駆使して成果を上げているほうだと言える。しかしそれでも「一億総国民」という視聴者を相手にしていた昔のテレビ番組と今とではスケールが比べ物にならないのである。
特に芸人とテレビというのは最も密接な関係性にあり、テレビのパワーダウンはすなわち芸人のパワーダウンといっても過言ではない。YouTubeやSNSなどを通して世界に発信できるようになった今、グローバル志向のミュージックや美術系アーティストなどの一部カルチャーは恩恵を受けているが、言語の壁を超えられない芸人にとってはただただ辛い逆風の時代だと思う(ただし、メディア露出ゼロの地下芸人に関していえばSNSを利用できるようになった事で自身をアピールするチャンスは増えた)

そんなテレビ不況世代芸人であるニューヨークの今現在の代表番組を挙げるとすれば朝の人気帯番組「ラビット」だろう。しかし朝番組のラビットの視聴率はやはりたかが知れているし、他の民放番組やAbemaやYouTubeの視聴者数をかき集めたところで、やはり昔の人気テレビ番組一本分の視聴率にも届かないのは実際のところであろう。
ナインティナインの岡村隆史が無名の若手の頃、当時の大人気番組「ねるとん紅鯨団」の特番に出演しただけで一晩にして街で顔を差される(認知される)ようになったと語っていた。あの頃のテレビ番組にはそれだけのパワーと影響力が確かにあった。今はそんな番組は残念ながら一つもない。なのでスターは圧倒的に生まれにくい。
ニューヨークの「好きな芸人ランキング一位」というのは、そういったテレビ不況下の中でのランキングなので
お笑いファンでない人々から「知らないし、見た事ない」とか「誰?」というような冷ややかな反応が上がってしまうのは仕方ないわけだ。

筆者はこの状況をとても悲しく思っている。テレビの凋落と共にお笑いがマイナーに転じてしまう時代。お笑いスターといえば、ドリフの時代からテレビ界の華であり、ど真ん中な存在だった。欽ちゃん、たけし、さんま、国民にとって一番有名で一番人気のあるタレントは、いつだってお笑い芸人だった。

筆者が子供の頃の例をあげれば
「ウッチャンナンチャン」というお笑いコンビの存在はほぼ国民全員が知っていた。
色が白くて大人しいほうがウッチャン(内村)で顔がボコボコでうるさいほうがナンチャン(南原)、という程度のパーソナリティであれば誰もが知っていた
当時大人気の笑っていいとものレギュラー、視聴率20%超えの「やるならやらねば」でのミモーマモーや101回目のパロディ、なるほどザワールドの特番(30%超えお化け番組)などに毎回出てくるウンナンを知らないままでいるほうが無理がある、それぐらい当時は国民全員がテレビをちゃんと見ていた時代だったのだ。

仮にもしもあの頃あの時代にニューヨークがいたら、ウンナンのような認知度や人気があったかもしれない。
だが今のニューヨーク世代以下がどんなに頑張ろうが、M-1や賞レースなどで結果を出そうが
ウッチャンナンチャンら当時の第3世代の認知度や人気には遠く辿り着けないのである。
4世代のナイナイやネプチューン、キャイーン、くりぃむしちゅーあたりが、テレビの良い時代の美味しい汁を吸えた最後の世代だろう。サンドウィッチマン、バナナマンもぎりぎり滑り込んだかな。
それ以降のジャルジャル、はんにゃなどに下がっていくに連れて次第にテレビ離れの時代に入っていく。
そして今の世代のお笑い芸人になると、お茶の間の認知度がある芸人はほぼ居なくなった。千鳥や霜降り明星はかろうじてお茶の間認知度はあるとして、かまいたちぐらいになるともうかなり怪しい。あれだけ出まくっているのに、だ。今の時代はあれだけ出ても知って貰えない。売れるハードルは昔と同じか、むしろ下がったようにも思うが、有名になる事のハードルは半端なく高くなった。なにせ国民がテレビを見ない。人気番組も無い。
ニッポンの社長、ロングコートダディ、男性ブランコとかが、あの程度の位置で既に「売れた」とされている事が可哀想でならない。まだ彼らは世の中に浸透してると言えないし、彼らの実力ならもっと上に行けるのに、もう「売れたね」とされてしまう。つくづく夢の無い時代だと思う。
更にその下には30半ば面を下げて劇場クラスの芸人がわんさか居ることに絶望を覚える。(昔は30前には売れない芸人はほぼ淘汰されるようになっていた為、残る芸人=売れてる芸人。今のように売れていないでダラダラ続けている芸人はほぼ居なかった)

テレビの良い時代を全部吸い尽くして後の世代に残さなかったBIG3やお笑い第三世代が、未だに構造のトップにいるという事実が今のお笑い界の全てだと云える。

うーむ、何だか愚痴のような長文になってしまったし、結局「昔は良かった」と言いたかっただけの老害感は否めない。
だが最後にまとめとしてこの一言を言って終わりたい。


今の時代に芸人(タレント)やってる人達、本当にお疲れさん。。。

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