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多様な属性をもつ全ての非常勤講師の賃金補償を強く求めてる話:ちょっといいマイクで自尊心あげてたら動画編集ソフトが落ちた明け方に

どうも、じゅりあんです。
先日も書きましたが、オンライン講義用に自腹で買ったイヤフォンマイクが全然ダメでした。声がはるか遠くで鼻づまってる感じ。つらい。これなら地声の方がマシなレベル。

でも大学の履修登録まで時間がないから、そのまま6つの講義の動画を撮るしかない。しょうがない。赤いイヤフォンマイクの鼻づまり先生として登場するしかない。

ということで、撮りました。

見事な鼻づまりが録画され、事前資料として昨日から学生に公開されています。

つらい。

でも、もう大丈夫!

奮発して、ちょっといいマイクを買いました!つらい!だいぶいいモノじゃなくて、ちょっといいモノでもそれなりだぞ!つらい!食費!書籍代!ぐおお!

でも、やっぱ、ちょっといいマイクなだけあって、鼻づまりの声から「ちょっと聞こえやすい声」に生まれ変わりました。

ちょっとね。

不思議なもので、ちょっと自尊感情があがりました。

予想もしていなかった大変な状況のなか、わけわからんままにオンライン講義の準備をはじめて、

「zoomがいいらしい」
「いやだめだ脆弱性があるもん」
「じゃあteamsだ」
「なんか、そのチームとやらが作られへん状態のままやねんけど」
「いやskypeがmeet now出したらしいよ」「よぉわからん」
「いや、それよりもパワーポイントを動画にして音声を吹き込むほうがデータ通信量的にはいいらしい(リアルに紙芝居やん)」
「でもスマホの電池減るのはやいらしいで」「マジで」

という、情報収集やら試行錯誤やらを経て、まあ、とりあえず各種資料を用意しながら、なんか少しマシな声が録音されているときに、「アカンなりにがんばれてるんかもしれん…」と思ったのでしょう。深夜に。

いや、泣いてはない。泣いてはないけど、なんかちょっとホッとしたわけです。

で、ふいに今はときめくYOUTUBERヒカキンさんと小池都知事の対談というかインタビュー動画を見ました。

「すごいなぁ、ヒカキンさん、控えめに効果音ずっと使ってはるわ。たしかにこれなら視聴者も飽きないかもしれない。というか身についた『いつもの感じ』で見ることができる工夫だよね。すごいなぁ。」

というところばっかり見てました。


(まぁ批判的な問いが無いこと、そして補償がないことの説明がないところは大変気になりましたが)

ほんなら僕も効果音入れてみようかな、ということで入れてみることにしました。


「無料の動画編集ソフトっていっぱいあるんやなぁ。

Macだったらi Movieがあったけど、僕はsurfaceやからなぁ。
標準ソフトのフォトの編集はイマイチやし、YouTube上でできる編集も「そこじゃないねんなぁ」てところあるから、なんかちがうの入れてみようかな。

なんか、動画編集ソフトのDaVinci Resolve (ダヴィンチ・リゾルヴ)ってのもわりといいらしい。
なんかおしゃれやなぁ。名前が。あと動画で説明してる人たちの「ドヤァ」感がまだ大丈夫な感じする。

入れてみようかな。会社の名前「ブラックマジックデザイン」ていうの?もうネタやん。すごい名前やな。まぁ、いれてみよか」

で、入れました。

「日本語設定にして…あ、ここから動画を選択するのね。あ、うまくいったわ。それで…」

パッ。

消えた…。


画面から、なんかお洒落な名前のソレが。
マジックすぎる。

もう、一回やったみたけど、やっぱり消失。


もうダメだ。

たぶんパソコンのスペックの問題なんでしょうね。さようなら効果音、さようならヒカキン。


もはや小太鼓を生で鳴らして収録するしかない。

Amazonで小太鼓調べたら2400円でした。何してるねん僕は。

パソコンも買い替えなくちゃいけないのかなぁ。もう少し色んな手段を考えなくちゃかなぁ、


小太鼓は買いませんが、まぁハッとするわけです。

作業にかかった時間と手間で、授業の中身をオンライン仕様にできたかもしれないし、論文書けたかもしれない、ということにも。

わかってはいるんですけどね。

「ほどほど」にしないといけないことは。
でも、「ほどほど」すらわからないんですよね。

準備間に合わなかったらどうしたらいいんだろう。

そもそもGW明けに対面授業再開って、めっちゃ可能性低いのでは…。

このまま前期なくなったら、給料どうなるんだろう。

すでに講義の延期の決まったところの分は、そもそも支払われるのも「延期」だろうし、出費がかさむ4月末を乗り切れるのかなぁ。

頭に浮かぶのは、やっぱり、九州大学でおこった49歳の元・大学院生の事件。
たぶん、僕だけじゃないと思います。

#事件の涙 「そして、研究棟の一室で~九州大学 ある研究者の死~」
https://twitter.com/nhk_docudocu/status/1249449947302252544?s=21


彼の事件はコロナの前だったわけで、それから何が変わったのだろう。

重ね合わせるには、状況にちがうところも多いかもしれないけれど、やっぱり、頭に時折、浮かぶ。


4月末から、なにが起こるのだろう。



とりあえず、こちらの署名をしました。

https://www.change.org/p/文部科学省-非常勤講師に賃金補償を!

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13日に、印刷された署名が郵送されたそうです。

こちらの署名に賛同したのは、大学の非常勤講師に限らず、高専や市民講座といった、いろんな「持ち場」で働いている、すべての非常勤講師が対象だったからです。

署名された人数は、6469人。
締め切りをすぎてからも、まだ集まっていたそうです。
署名を立ち上げたnakayamaさんは、だからこそ、「終了」ボタンを押すのを躊躇したとおっしゃってました。

その感覚、すごくわかるなぁと思いました。

この署名に寄せられた、さまざまな言葉。
悲鳴にも思われる、それぞれの困窮。

もう、非常勤講師じゃないけれど、かつて非常勤講師だった人からの賛同の声。

講師ではないけれど、「こんなことになっていることを知らなかったから」署名してくれた人の声。

それを可視化させた、はじめの1歩を「終了」することは、たしかに躊躇する。

そう思いました。

署名は、予想をはるかにこえる数が集まりました。それは画面上では端的に「成功」と表示されます。

でも、だからこそ、nakayamaさんは、「成功」したことを伝えるメール機能を使うことを、躊躇されていると、伝えてくれました。

なにも達成されていないのに、成功と呼んでいいのか。

そりゃそうです。

署名が集まった。
多くの声が集まることで、問題のある状況が少しずつ可視化されてきた。

それは成功です。

でも、まだ始まったばかり。

何よりも、SNSでもちょこちょこ書いてきましたが、そもそも、オンライン講義を受ける学生の情報環境の整備も不十分なまま。

「教える側」だけじゃなくて「教わる側」、「一緒に学ぶ相手」「議論を戦わせる相手」の状況もなんとかしないといけないはず。

そもそも、すべての労働者の補償が、適切になされなければならない。

学生とも、ほかのあらゆる仕事なつく人にも、そもそも、あらゆる個人に、適切な補償が必要。

まだ何も「成功」していない。

もうすでに、多くの人がGW明けでも状況が変わらないことに気づいてる。

ポスト・コロナとか、アフター・コロナとか、「〜の後」についての言葉が飛び交うのは、「コロナの後」を夢想していたいから。

いつ自分が当事者になるのかもしれないのに、感染者や感染経路へのバッシングに明け暮れながら、補償のない(脆弱な補償しかない)生活のなかで不安におびえ続けながら、もう「コロナと共にある生活」の先を考えていたいから、なのかもしれない。

だからこそ、とりあえず声をあげて、アクションを起こすことは大事だと思います。

署名もその1つ。

何かが変わるかもしれない。
少なくとも「そこに問題がある」ことがわかれば、なにかが変わり始めるかもしれない。
何もしないより、たぶん、少しはマシ。
これからさらにひどくなるかもしれないから、たぶん、少しマシ。

そんなことを思いながら、今晩も「ちょっといいマイク」に声をふきこむ。
そもそも、動画を再生できない、再生できても、聞くことのできない環境や状況にいるかもしれない、そんな学生がいることも、考えながら。

とりあえず、とりあえず、目の前のことを。

同時に、とりあえずの1つの、今回の署名から何か変わりますように。

多様な属性をもつ全ての非常勤講師の賃金補償が、適切に、十分に、なされますように。

そして、多様な属性をもつ全ての個人のへの補償が、適切に、十分に、なされますように。


じゅりあん@ふれる社会学

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