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11ヶ月ぶりに髪を切った
タイトルの通りだけれど、昨日11ヶ月ぶりに髪を切った。
11ヶ月ぶりになったのは別にコロナ禍の美容室を避けていたとかではない。
以前歯医者を年単位でサボっているというnoteを書いたけれど(あの後歯医者に検診に赴いて、今日半年経ったからまた電話予約して検診に来いよハガキが来た。電話は出来ないし覚えてられる自信もない。憂鬱)、歯医者を年単位でサボるような人間が2ヶ月に1度のような頻度で美容室に行けるわけがないことはきっと誰にでもわかるだろう。
ということで今回は11ヶ月の間が空いた。それだけだ。
11ヶ月美容室をサボっていた私の髪は肩下20センチのミディアムロングヘアであった。飽きっぽい人間なので毛先10センチをブリーチしたり定期的にカラートリートメントで色を入れたりしていた。面倒くさがりのわりにそういうことは好きなのだ。
元々の髪質や量に恵まれているのか、面倒くさがりに拍車をかける、11ヶ月経ってもそんなに困ったことのない髪だった。広がって広がって困るとか、もっさりしてくるとか特に困ったことがない。今回は毛先をブリーチしていたのでさすがに傷んできたなとは思っていたがそれももうどうにもならないには程遠かった。
今回髪を切った理由は「さすがに1年髪を切っていないのはなんだかヤバい」と「ドライヤーが面倒&暑い季節になってきた」だけだった。
初めて行く美容室をWebで予約した。電話が苦手な人間なので、Web予約という画期的な発明がなければ平気で年単位で美容室をサボっていたと思う。Web予約を発明した人はとてもえらい。(歯医者をWeb予約でも年単位でサボっていた人間が言うことではない)
Web予約はサイト上のヘアカタログから写真を選んで当日したい髪型の写真を事前に送っておける。このシステムを考えた人はとてもえらい。説明の苦手な人間に優しい。えらい。
顎ラインのやや前下がりのショートボブを選んでおいた。ボブは何がなんでも前下がり派である。ショートなのに襟足が長めなのを憎んでいるので。でもミディアムやロングならばレイヤーがっつりのウルフカットは好きである。
髪を切りながらの雑談が苦手である。言わなくてもいいことばかり言ってしまったなとあとから落ち込むから苦手である。
今回も何故か話の流れで11ヶ月ぶりの美容室であることと専業主婦であることを言ってしまった。そうしたら言われた。
「専業主婦飽きません?」
絶句。専業主婦飽きません?????飽きたからと言って辞められるようなものでもなくない????この市の待機児童数やブランクのある子持ち女性の就業の難しさの話をすべき????いや、得策ではない。コロナもあって出来れば話したくないし……
「いやー、子どもも居ると中々忙しいですし……」
と無難に返した。無難だよね……?
「あ、子どもさん居るとやっぱり自分のことは後回しになっちゃう感じですか?」
これは、11ヶ月ぶりを受けて言ってるんだろうな……でも子ども居なくても私が面倒くさがりなことは何にも変わらないので……
「いや、そういうわけではないですね。ただ面倒くさがってただけで」
「そうなんですか」
美容師さんには心底分からないという顔をされた。
別にわかってくれなくて良いのだ。
世の中には色んな価値観や状況の人間が居て、私が専業主婦に「専業主婦飽きません?」と言えちゃうあなたのことが信じられないように、11ヶ月間面倒だからみたいななんとなくの理由で美容室に行かない私のことをあなたは信じられないと思う権利があるのだ。だからもう話しかけないでくれ。
と、願ってみたら話しかけられなくなった。
髪を切り終わるまでは隣のお客さんを担当している隣の美容師さんが最近できちゃった結婚をして結婚したくなかったけどこれも縁だし親に子どもの顔を見せられたのは良かった、という地獄のような話をしているのを聞いていた。
どんどん髪が短くなっていく鏡の中の私は髪が短くなるにつれてどんどん母に似ていってなんだかとても悲しかった。これが嫌いで私は髪を切りたくなかったのだな、と急に思ってどんどん落ち込んでいった。
別に母のことが嫌いなわけではなくてアイデンティティの境界の問題なので私の心持ちの話なんだけども。
ということで担当の美容師さんは黙り込み、隣の地獄のような話を聞き、私は私で鏡を見て勝手に落ち込んでいくという久々の美容室体験であった。
1日経ったけれど、髪の短い私はかわいいし、ドライヤーはすぐ終わるし、髪を切ってとても良かった。
額が指三本分の幅しかなくとても狭く、前髪の生えぐせで前髪が浮きやすい私の、それでもオン眉前髪に憧れる気持ちを汲んでくせが目立たないように斜めに流せるオン眉前髪にしてくれたり美容師さんの腕はとても良く気に入ったので次も行くと思う。
嫌な会話をシャットダウンして終わらせても平気なメンタルが私にはあるので、また行く。
でも次は不用意なことを言われそうな不用意なことをこちらも言わないように心して掛かろうと思う。
さて次は何ヶ月後だろうか。