天使との待ち合わせ。

20240907
フォークナイフで食べるクレープ屋さんをお目当てに待ち合わせをしたら、そこに訪れたのは天使だった。
初めは気づかなかったのだけれど、お店へ向かう道中、わたしの横を歩く彼女の背中には確かに羽が生えていた。

その天使の持つ羽は、「天使の羽」と聞いて想像するような「バサッ」と生えているものではなく、小指の長さほどの対で、それも、肩甲骨の内側からではなく、背骨のちょうど頚椎と胸椎の境あたりを摘むように、ちょこんと。生えていた、というより、ついていた。

『tanakadaisuke』というブランドより授かった羽らしい。(天使になりたい人は、チェックしてみてほしい。)


天使の髪はふわふわしていた。
前髪と顔周りにパーマをかけたらしいのだけれど、天使曰くコントロールが効かないようで扱いに困っているんだと言う。たしかに外側にぴょんと跳ねているけれど、わたしは、すばらしく天使らしいキャラデザだと感心した。


電車で吊革を掴む天使の左腕の内側に、緑色の痣のようなものが見えた。
痛そうなほど変色しているのに、痛くなさそうなほど綺麗な発色をしている。

特になんともない痣らしいが、人間という生物にはそぐわない綺麗な緑色をしているその痣からはいつかラメが発生しそうで、もしそうなれば、なんともありすぎる痣である。


帰り、渋谷駅で「ばいばいー!」とハイタッチをしてお別れをしたけれど、きっと振り返れば、小さな羽で飛んで帰っている彼女の姿があったはず。

(もしあれで飛べるのなら、凄まじい筋力...)


明日の新聞は、1面彼女のことでいっぱいだろう。

While Writing
『きゃりーぱみゅぱみゅ/PONPONPON』

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