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その12 攻めと受け(838文字)


1 はじめに

 仕事は『攻め』と『受け』で成り立っています。

2 『攻め』と『受け』

 自分で進んで取り組む仕事のことを『攻め』と考えます。
 人から与えられる仕事のことを『受け』と考えます。

3 人が育つ時

 『受け』の仕事でも人は育ちますが、それだけでは十分ではありません。
 『攻め』の仕事が必要なのです。

4 例えば、お巡りさん

 交番で働いている警察官に例えて考えましょう。
 110番指令が入って、交通事故や喧嘩の現場に行って、取り扱いをすることは『受け』の仕事です。
 法律や腕力、話術を駆使して、問題を解決していくので、経験を得て、人は成長します。

 一方、パトロールしている際に、人が倒れているのを見つけて、交通事故や殺人事件だと判断して対応することや、人だかりを見つけて、傷害事件であると判断して、取り扱うことは『攻め』の仕事です。

 先にあげた経験を得ること以外に、事件感覚や現場判断力をも身につけることができます。

『攻め』の仕事のやり甲斐と言えば半端ないものです。

5 おわりに

 一日の勤務時間7時間45分のうち『受け』の仕事がなくなれば、時間休を取得する未来ある教員。
 『受け』がない時にこそ『攻め』の仕事をして、普段味わうことのできない、やり甲斐、高揚感、充実感を味わってほしいものです。
 『受け』がない時にこそ、普段できない仕事、自分のやりたい仕事、やるべき仕事に取り組んでほしいものです。
 例えば、今年一年自転車操業をして、後手後手になって苦しんだ児童集会の年間計画について、翌年度の叩き台を作ること等です。
 叩き台を作ることで、今まで見えていなかったことが見えてくるようになるものです。

 仕事の醍醐味は『攻め』にあるのです。
 『攻め』を発端にして、仕事がコントロールできることを知り、そして、やり甲斐や誇り、使命感、自分ごとの問題意識を醸成して、成長していくのです。

 権利を行使する『攻め』の感覚だけは、誰からも教えてもらわなくても、十分に身につく社会になったようです。

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