【わかりやすく解説】比例復活の仕組みを徹底解説!ランキングのしくみとは?
★わかりやすく解説
比例復活とは、小選挙区で負けた候補者が、比例代表で得た得票によって「復活当選」する仕組みです。これは、選挙の際に候補者が選挙区と比例代表の両方に立候補している場合に可能です。比例復活の具体的な仕組みを以下で詳しく説明します。
小選挙区と比例代表の違い
まず、日本の衆議院選挙は「小選挙区制」と「比例代表制」を組み合わせた**「小選挙区比例代表並立制」**という制度で行われています。
小選挙区制:特定の地域(選挙区)ごとに1人の候補者を選ぶ仕組み。候補者が最も多くの票を獲得すれば当選です。
比例代表制:政党ごとに全国または地域ごとの得票数に基づいて、議席が配分される仕組み。各政党は、候補者をリスト(比例代表名簿)に順位付けして提出しています。
比例復活の条件
比例復活は、候補者が小選挙区で惜しくも2位以下になり、かつ、その候補者が所属する政党が比例代表で一定の票を獲得した場合に可能になります。
小選挙区で勝てなかった場合にのみ、比例復活の対象になります。もし小選挙区で1位になれば、比例代表の得票は無視され、その候補者は「小選挙区での当選」となります。
順位付けとドント式
比例復活で誰が当選するかを決めるための仕組みには、各政党での**「比例順位」**が影響します。比例復活の仕組みは以下の流れです。
ステップ①:惜敗率の計算
「惜敗率(せきはいりつ)」は、小選挙区での敗北具合を示す数値で、得票数を1位の候補者の得票数で割ったものです。
例えば、1位の候補者が100,000票、2位の候補者が80,000票の場合、2位の候補者の惜敗率は 80,000 ÷ 100,000 = 0.8(80%) になります。
惜敗率が高いほど「あと少しで当選だった」という評価になります。
ステップ②:政党内の比例順位を決定
比例代表で当選者を選ぶ際、各政党内の候補者は「惜敗率の高い順」に並べられます。惜敗率が高い候補者ほど比例復活の優先順位が高くなり、比例復活の対象になりやすくなります。
ステップ③:政党ごとに割り当てられる議席数を決定
比例代表の得票数に応じて、各政党にどれだけの議席が配分されるかが決まります。これには「ドント式」という計算方法が使われます。
ドント式は、政党の得票数を「1, 2, 3, 4, ...」という数字で割り、その結果が大きい順に議席が配分される方法です。
例えば、ある政党が比例代表で10万票を得た場合、10万(÷1)、5万(÷2)、3.3万(÷3)、2.5万(÷4)...という風に割って順位をつけます。
ステップ④:上位の候補者から順に比例復活
ドント式で得た各政党の議席数に基づいて、政党内で惜敗率の高い候補者から順に議席が配分されます。したがって、同じ政党内でも惜敗率が高い候補者ほど、比例復活の可能性が高くなります。
★これを知っておくと理解が深まる
比例復活は、単なる「敗者復活戦」ではありません。惜敗率の高さや政党の得票数が重要な要素であり、それによって候補者が復活できるかどうかが決まります。また、比例代表に強い政党ほど、比例復活のチャンスが多くなるため、政党の得票数を上げることも重要です。
★用語解説一覧
・小選挙区制
説明)特定の地域ごとに1人の代表者を選ぶ選挙制度です。1位の候補者がそのまま当選します。
・比例代表制
説明)政党に投票して、その得票数に基づいて議席を配分する制度です。候補者の順位は政党内のリストや惜敗率で決まります。
・惜敗率
説明)小選挙区での得票数を1位の得票数で割った数値です。比例復活の際に重要な指標となります。
・ドント式
説明)比例代表で議席を配分する際の計算方法です。政党の得票数を「1, 2, 3, ...」で順次割り、その結果の大きさで順位を決めます。
★そもそも論
比例復活という制度は、小選挙区で惜しくも負けた候補者にも再びチャンスを与えるための仕組みです。この制度があることで、選挙結果がより柔軟になり、少数派の意見も議会に反映されやすくなっています。また、比例復活があることで、政党全体の得票数が重要になり、候補者だけでなく政党全体での努力が求められる選挙戦になります。