誰かを幸せにする
キョンコロ先生は集団指導を行っていた時は毎年卒業生が色紙を書いてくれました。
綺麗な色のペンで授業のことや、私が好きそうな単語を書いてくれて、見直すたびに感謝の気持ちでいっぱいです。
寄せ書きって面白いですね。
今日はその思い出を少し書こうと思います。
生徒さんに誕生日はいつですか?と聞かれ、10月だよといつものように答えました。
お誕生日など大人になると誰も祝わなくなるのですがその年は違っていました。
誕生日当日、いつものように6年生のクラスに入っていくと生徒さんたちがなにやらワイワイ集まって何か作業をしています。
すると
「キョンコロ先生のお誕生日の寄せ書き書いてないひとー、これでしめきりますよー」
という声がしてきました。
「授業始めるよ、なにしてるの??」
とキョンコロ先生が話しかけると
「あ、先生お誕生日おめでとうございます」
と寄せ書きを書いたものをくれました。
その時授業で言っていた面白い話や、いつもの授業の感想などが書かれていました。
真ん中にはお誕生日おめでとうございますとあります。
昔、キョンコロ先生はお友達にふざけて「今日はお誕生日なの」と話したら「誕生日など祝う必要がない」と叱られたことがあり、正直お誕生日にいいことがあったことなどなかったのです。
若い時のちょっとした「誕生日不幸話」が色紙を受け取った瞬間に脳裏を駆け巡りました。
でも、生徒さんはそんなこと知りません。
純粋に私の誕生日を祝ってくれたようです。しかも、寄せ書きを取りまとめた子がいて、嫌がらずに全員がそれをうけいれてくれたこと、忘れません。
私は大事にされているのだなと、これからも本気で授業をやらなくちゃと思いをあらたにしたことをよく覚えています。
そのクラス意外にも、こんな風に誕生日の寄せ書きをくれたクラスはたくさんありました。中には私が行った美容室の名前まで憶えていて「体言止め」の要領で文の終わりに書き添えてくれた子もいました。
細かい話まで本当によく聞いてくれているのだなと思います。
あ、そうそう。話をよく聞くってところは「おすすめの本」を紹介するときにも発揮されていました。
授業である本を紹介すると次の週には半分弱の生徒さんがそれを読んでくれていたこともあったりして、その日の授業が「ただの消化」ではなくて、自分の身になる数時間だと思ってくれているんだなと感心したことも覚えています。
あの時の生徒さんはもうかなり大きくなっていると思います。きっとあの時に培った誰かに対する優しさとか、人の話をよく聞く力でいい感じに活躍しているでしょう。
ありがとうね。忘れません。
これからも誰かを幸せにしてあげてください。