アドバイス
今日はアドバイスについて。
キョンコロ先生のいた大手塾では「ヒアリング&アドバイス」というシステムがありました。
しかしね、そこには「現場と本部の深い溝」があったように思います。
ヒアリング&アドバイスをするに当たって、本部の方から諸注意がありました。
ケースとしては「生徒さんの成績が上がって、下がった」場合です。
本部の方は、
「上がったらほめて、下がったらアドバイス」
という流れでやってくれと説明をしていらっしゃいましたが・・・・
正直にいうと、それは間違いです。
成績は波のような動きをしながら推移するもの。
だから、上がることも、下がることも「当たり前のこと」です。
それなのに「上がったらほめて・・・・」とは素人ではないですか!
上がることも下がることも我々としては「同じこと」です。
それを「上がるほめる」とは何たることか・・・・。
上がってもさがっても、褒めても叱ってもいけないのです。
そもそも、幸せに生きるために学ぶ時期に失敗をするなとは何事ですか。
こういうと「本番の入試で失敗したらどうするのか?」
というご意見もいただくと思いますが、そのご意見もちょっと待ってください。
まず、ここでいちばんのポイントは「お子さんが入試をやりたいか?」ということです。
お子さんのほとんどが、勉強したくない、入試は「やらされるもの」と感じています。
親御さんも「今は辛いけど、やらせて正解だと後で思われればいい」と思っていらっしゃると思います。
これによってわかるのは、「子供さん本人がやりたくない」と感じていることです。
それでは上手くいくものも行きません。
ですから、テストで点が下がったら「アドバイスと称して叱る」なんて、モチベーションもパフォーマンスも下がるようなことを大人がやってはいけないのです。
キョンコロ先生のクラスの子供さんたちには「テストの点が低いから悪い人と言う考えは間違いです」という話をよくしていました。
宿題をしなかった、テストの点が低いことを罪に感じて発奮するなんて悲しいと思いませんか?
生きる知恵として身に付けなければならないことを苦しみや悲しみとセットで身に付けさせるなんて、ダメでしょうよ?
店で「アンハッピーセット」なんて、売れますか?
考えたらわかりますよね。
ですから、成績の上下などで心を乱してはならないのです。
もし、どうしてもアドバイスをしたいということであれば「答案」を見てください。
いま、大手塾ではどこでもデジタルイメージ答案をテストの成績と一緒に見ることが出来ます。
そこで、筆圧、全体的な字のバランス、文法的なミス、知識分野のミスなどを確認してください。
やる気がなければ筆圧はひくく流れたような字を書きます。
細長い字を書いている時は正方形をイメージして、それに近い形をしているものが「うまい」とされているようですから「もう少し四角い形をイメージしてごらん」とアドバイスします。
記述を文法で落とす子供さんは日本語のサンプルが足りていないので、素材文の必要な箇所書き写すことや、素材文のコピーを段落ごとに切ったものをノートに貼付させて、少しずつ文を読ませたりします。
知識を落とすお子さんは「問題にはすごいやつと雑魚い奴がある」という差別意識があります。でも、点数で見たら無視できないということを教え、そこをきちんと覚えると確実に偏差値が上がることをアドバイスします。
そして、ここが一番大切ですが点数にかかわらず塾に通い、親が望む形ではないにしても家庭学習をしたのですから「がんばったね、嬉しいよ、ありがとう」と声がけしてください。
キョンコロ先生も授業の前にテストの点数について話すときは「なかなか良かった」とはなし「みんな、ほかの教科の学習もあったろうに頑張ってくれて嬉しいよ、ありがとうね」ということにしていました。社会や理科は分野によっては膨大な量の暗記を一週間でしなければならないのに彼らはそれをこなしつついつものように国語の学習もしてくれるのですから、お礼をいうのです。
もちろん、毎回お礼をいうわけではないけれど、でも、「なかなか良かったよ」は毎回言いました。
「毎週褒めてくれるけど、何かあるんですか?」
疑いの声も上がります。
その時その時で私の答えも変わりますが、一番大切彼らがおもしろがっていたのは
「それはね、お前を食べるためさ!」
大爆笑でした。
その時の私の本当のメッセージはこれです。
誰に褒められても、けなされてもここに来て座って授業を受けてくれてありがとうね。
私からアドバイスなんておこがましいけれど
「心の中でうるさく言う大人に『うるせぇよ』ってまず言ってごらん」
誰かの意見をそのままきいて、あなたをなくすぐらいなら『うるせぇよ!』ってまずは思うこと。
本当はこんなことを言ったつもりですが、伝わっているかな・・・・。
シュールすぎて伝わっていないほうに賭けます(笑)。