Vol.3 ヴィエリチカとボフニアの王立岩塩坑群
世界遺産第一号として、勉強し始めてから初期の頃に知った遺産で、こう言うものも世界遺産になるんだ、と記憶に残っている遺産。そんなところに今自分が立っているなんて、何回感慨深い。
岩塩坑、そんなものがあることを世界遺産を勉強し始めた初めて知ったのだが、その時に添えられていた写真が、全く岩塩坑、の言葉から想像できない代物だったから、余計に印象的だった。
私が見た写真は岩塩坑の中にあるキンガ礼拝堂。そして私は今そこにいる。
岩塩でできたシャンデリアに岩塩の壁に彫られたレリーフ達が醸し出す荘厳さに加え、サナトリウムとして使われている、という予備知識とひんやりとした気温のせいか、空気が澄んでいる気もして、すごく神聖な気分になれる。
当時の炭鉱夫たちが掘ったレリーフを一つ一つ見ながら、彼らは仕事の合間にこの礼拝堂で祈りを捧げていたのかなぁ、なんてぼんやり思う。
この場なら、なんか自然に跪いてしまう気もする。
あぁ、なんか心が荒ぶった時ここにくればすっと収まる気がする。自分の荒んだ気持ちが些細なことだと思わせてくれる空気感。
尊い。