待つことが嫌い

先日再びマッチングアプリを始めて暫く経つ。

どのマッチングアプリかは明かさないでおくが、前回マッチングして新宿の某ホテルで会った人には、『今の貴女には信念や情熱といったものが感じられない』と言われ、岡本太郎の本を紹介された。

ネットでその本を注文して、本は無事に届き、私は読み始めた。

そこには『世間の常識を破る』という内容が書かれていた。

その本の言葉は、私にとってはタイトル通り『毒』だった。

途中で読めなくなり、それ以降彼にも連絡はしていない。

彼からも何の連絡も無いので、後腐れ無く終わった出会いだ。

それから約1ヶ月、私はアプリから離れたが、先日何を思ったか、再びログインしてある人に『いいね』を送った。

数時間後、彼からも『いいね』が届き、私たちはマッチングし、彼から最初のメッセージが来た。

そのメッセージに気付いたのは翌日の朝だった。

私は思い付くまま返信し、割と直ぐまた彼から返信があった。

『この人はレスポンスが良いな』という印象だ。

丁度休日だったこともあり、新しい彼も時間があったのだろう。

ただ、暫くしてぱったりと返信は来なくなった。

気長に待っていたが、やはり来ない。

私は少し焦り出した。

夜になり、すっかり忘れた頃に漸く返信が来た。

焦りが小さな怒りに変わっていたので、「今日はお仕事ですか?」と送ってみた。

すると彼は、「休日だったので買い物と映画に行っていた」と言う。

そこからは今時の婚活の定型文の様なやり取りが続き、またもや私の送ったメッセージには既読も付かない状態だ。

段々と、彼からの返信を待つことが辛くなる。

待つことが嫌いだ。

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