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【カフェ開業】♯8 店名が決まりました。 ~いつかどこカフェ~

カフェ開業に向けて、現在準備中です。
場所は、北区上十条。
JR埼京線 十条駅から徒歩4分の十条仲通り商店街に、これから・・・・お店ができます。

そしてこのたび、店名が決まりました!

いや正確に言うと、すでに決まっていた店名を発表します!
と、いうことです。

名前を命名する(ダブってる)ことって、とても重要なことですよね。
『風の谷のナウシカ』の原作漫画の中でも、ナウシカが巨神兵に命名する場面があります。
それまで幼い子どものような精神だった巨神兵が、ナウシカから「オーマ」(劇中で ”無垢むく” という意味)という名前を与えられたとたん、急激な成長を遂げ、人類よりも上の存在として自らを認識するのです。

現実にはそこまで偏った話はないかもしれませんが、名前というのは、人にせよ店にせよ会社にせよ、そのものたらしめるものなのかもしれません。

しかし同時に「店名ってそんなに大事なのか?」という疑問も自分の中ではずっとありました。
自分の好きなお店なのに、店名を覚えてないお店ってけっこうあるんじゃないでしょうか。
「神田にあるラーメン屋なんだけど、スープを仕込むのに手間暇かけててさ、毎日スープがなくなったら店閉めちゃうんだよ。自家製のチャーシューも味がしみてて何枚でも食べられるし。店内もオシャレなのに気取ってなくてさ、店員さんもみんな楽しそうに仕事してて、よく気がつくんだよね~。店長はもともとフランス料理のシェフなんだって。いい店だから今度一緒に行こうよっ。
え? 店の名前? ……しらない」
そこまで詳しいのにっ!
美味しい料理や場所はよく覚えているけど、店名は知らない。。
「あのお店」で自分の中で意味がとおってるお店。
店名って、そんなもんじゃないのかな、と思ったりもするんです。
僕の「たかが店名」論。

余談ですが、会社の名前エピソードで僕が好きなのが、大手メーカーのキヤノンです。
Canonのホームページからの引用です。

1933年に精機光学研究所が設立され、カメラの最初の試作機は「KWANON(カンノン)」と名づけられました。
この名前は、観音様の御慈悲にあやかり世界で最高のカメラを創る夢を実現したい、との願いを込めたものです。
当時のマークには千手観音が描かれ、火焔をイメージしたKWANONの文字がデザインされていました。
やがて、カメラの本格的な発売開始に向けて、世界で通用するブランド名が必要になりました。
そこで1935年に、「キヤノン」(Canon)という言葉を商標として登録しました。
「Canon」には、英語で「聖典」「規範」「標準」という意味があり、これは正確・精緻を旨とする精密機器としての商標にふさわしく、そして世界の標準、業界の規範を目指す私たちの志を表すものでした。
また「キヤノン」の発音が「観音=カンノン」と似ているため、名称の交替は違和感なく行なわれました。

英語の「聖典」はきっとキリスト教のものだと思うのですが、それが観音さまと出会う瞬間がこの「Canon」という名前にあるのだ、と思うととても興味深いです。
ちなみに「キャノン」じゃなくて「キヤノン」ですからね。
小さい「ャ」じゃなくて大きい「ヤ」ですから。
お間違いのないように。。

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それはさておき、とにもかくにも、閑話休題。

キヤノンの例のような立派な名前をつけられればいいのですが、そもそも、自分は名前をつけるのが苦手と認識しています。
名前をつけるのって、スッと頭に浮かんでくることもあれば、ウンウン唸って考えることもあります。

高校・大学と学生時代に演劇のようなものをやっていて、自分で台本を創作したりもしていたんですが、タイトルをつけるのが結構いつも難儀していました。
内容とタイトルが、近すぎても遠すぎても、イマイチなんですよね。
「内容を匂わせながらも、観終わってから『ああ、だからこのタイトルなんだ』というシャレオツな」名前は結局一度もつけられませんでした。
まあタイトルよりも中身が評価されるほうがもちろん嬉しいので、そんなにこだわらない、なんならいい名前であれば他人がつけてくれてもいい、くらいに考えていたのも事実ですが。。

んで、店名の話でしたね。。
カフェを開業しようと思い立ってから、ず~っと店名を考えてはメモってきました。
一部を列挙してみますと、
絵本喫茶・秘密基地・喫茶パラデイロ・居場所喫茶・コーヒーデイズ・
東雲喫茶・Cafe80's・コーヒーショット・アロマロマン・
コーヒー専門店煉瓦屋・プラチナシート・珈琲日和・コーヒートーキー・
香る珈琲店・嗜む珈琲・日常珈琲・日々の栞……などなど。。

あと、この note のマガジンタイトル『いつかどこカフェ』も、じつは店名候補のひとつでした。
ばかばかしい駄洒落は好きなのですが、ちょっと長すぎるかな、という理由でボツにしました。(ちなみに小田和正の『いつかどこかで』という曲からきています)

絵本喫茶などは、実際に絵本がたくさん読めるお店として、かなり当初に考えていたものです。
(派生した店名で『エフォンヨムヨム』というのもありました)
いま見ると、いろいろと迷走してた感がありますね。。

また、上記の中には、すでに実際に存在する店名もあります。
やっぱりおんなじような名前ってどうしても考えがちになってしまう、というか、珈琲やカフェを頭に浮かべると出ちゃう名前ってあるんですよね。
店名カブっちゃう問題、というのもあるあるだと思います。


なんだか前フリ長くなりまして、思わせぶりな感じになってしまいましたが、そろそろ店名を発表したいと思います。。

店名は、

十条珈琲じゅうじょうこーひー

です。

結局たくさん考えて、頭の中を何周も逡巡したのですが、オリジナリティある独創的な名前でしっくりくるものはなかったんです。
モヤモヤした状態のままで、十条という土地で店をやることが決まったのですが、その瞬間「十条珈琲だな」と自分の中で何かがほとばしりました。
「十条」ということばの響きが好きです。かっこいいし品格もあります。
さっそく検索して、他に使用しているお店がないか調べました。
なかった! イェイ!

8月に内装業者さんと打ち合わせをするときに出した資料の中で、
店名を『十条珈琲(仮)』としていたのですが、なんどもその名前を見るたびに、これしかないと感じました。

その後9月に入り、内装業者さんにビクビクしながら「あの、店名なんですけど、これ(仮)を取ってもらっていいですか」と伝えたのですが、その場にいた全員に「いいと思いますよ」と受け入れられたのは嬉しかったです。
(まあ、当の本人を差し置いて物申されたら、それはそれでいかがな業者さんかとは思いますが。。)

『十条珈琲』という名前は、「場所+業態」という、おそらく古今東西変わりなくある、平凡な形式のものだと思います。
でも、名乗るだけで『どこで、なにをやっているか』がわかる、ウルトラ超絶便利な名前でもあるのです。

あるいは、なにも知らない人が通りがかったときに目にしたら、
「あらっ、昔からある由緒正しいお店なのかしら」と、いい意味で勘違いして入ってきてくれるかもしれませんっ。(笑)

そしてなにより、僕にとって十条という場所がとっても意味のあるということ……。
ここでお店をやるということが、この先の僕を僕たらしめることになるのではないか、という期待と不安。
そんな。
そんなお店の名前をつけました。。

十条珈琲。
まだまだ準備中ですが、どうぞよろしくお願いいたします。


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