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浜松のおっちゃんと臭い南プス
2013年8月13日に 会津駒ヶ岳で、ずっと記憶に残る「浜松のおっちゃん」に出会った。まだ、あの頃「道の駅 檜枝岐」はない。
ミニ尾瀬公園の駐車場に20時到着。車中泊をしようという計画だった。
駐車場に着いた時、車のヘッドライトに急に映されるおっさんの姿。
真っ暗闇の中、満点の星空を満足げに見上げ、堂々とイスに座っている。
「何してんの?轢いちゃうよ!怖いわボケ!!」って思った。
真横にある車のナンバーは浜松。
他に車中泊をする人はおらず、駐車場は閑散としていた。
翌朝、おっちゃんが起き出して、準備をし始めた物音で起床。うるせぇ(笑)
俺も遅れて歯を磨き、顔を洗って登山口へと向かう。
当時のおっちゃんは、50代後半くらい?と見受けられた。知らんけど。
会津駒の山頂に立っても彼の姿はない。(とにかく速い!)
駒ヶ岳山頂の奥、湿原が綺麗な中門岳に着いた時、食虫植物について他の登山者に語りかける彼の姿を見た。
彼を抜いて下山途中、水場付近で休んでいたら声を掛けられた。
「どうしたの?登り速かったね〜!大丈夫? それじゃ。」っと、抜かれた。
下山後、檜枝岐の温泉に浸かり、翌日に田代山&帝釈山に登る予定だった俺は、またミニ尾瀬公園の駐車場へに向かい、再び、浜松のおっちゃんに出会う。
「あら、おつかれさま〜!明日は俺、燧ヶ岳なんだよ。君はどこ?」
「昨日、飯豊行ってさぁ、テント泊するつもりだったけど、日帰りで帰ってきちゃった。」
「君も百名山登りたいなら、南アルプスで待ってるよ。」
「山がさぁ、こことはまた全然違うんだよ。おいで!」
この言葉が心にずっと刺さっていて、今、ようやっと南アルプス南部の山々にチャレンジをしている。
そりゃ、山域の違いは感じるけど、安易な言語化は無理だよね。
例えば「深さ」とか。いやいや、東北の山々だって十分に深いし。
実質的な登山口からの距離や獲得標高もあるけれど、アクセスのしにくさ、ぱっと見の山の大きさ、日数が掛かる事とか、いちいち登山者さんがベテランな感じだったりするのが違うのかな〜っては思ったかも。
こないだ、南プス塩見岳に登ったとき、広河原から3泊して歩ってきたおっさんと帰りのバスで一緒になった。まぁ、すげぇ臭かった(笑)
バスん中で、「今、靴脱いだだろ〜!」って思った。言えんけど。
このバスを待っている間、同じ山域を歩いてきた者どうし、諸先輩方と話せた内容が、めっちゃおもしろかった!広島から来て畑薙から3泊のベテランさんとの会話もやばかった。内容は内緒。
結果、あまり信じたくはないが、必ず、致し方なく、運命的に、いずれ、もれなく、俺もあの臭いおっさんになるんだと、悔しくも名誉に自覚している。