冬の安達太良山
登山を始めてまもない頃、くろがね小屋に通い続けていたら、冬がやってきた。
当時、よくお話させて頂いていた小屋番のIさんに、
「装備しっかり準備して、天気見て来れば、冬でもここまで大丈夫だよ。」って言われた。そりゃ、行くよね。
まず、WILD1でスノーシューとストック用のスノーバスケットを買った。
あだたら高原スキー場が営業を始める中、奥岳登山口からスノーシューで小屋へと向う。時間は掛かるけれど無事に小屋に辿り着けて、源泉掛け流しに浸かって普通に帰って来れた。(現在とあまり変わらないけどね笑)
運良く、風も弱く好天の日、山頂まで行ってみた。
天気が良いのに登山者も少なく、すごく静かだった。
冬の透き通る空気のおかげで、沼の平から見える飯豊連峰が美しかった。
この景色、この場所に、俺1人だけ。めちゃくちゃ幸せを感じた。
冬にこんな機会は滅多に訪れない。
静寂。夏より空気が澄んでいて近く見える景色、無力さ、恐怖、寒さ、いろんなことを五感で感じて、全ての感覚が解放されている気がした。
今、まさにあの感覚を味わいたいと毎日天気予報を見ながら企んでいる。
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