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「風景画杯」ありがとうございました!

 先般行われていた白蔵主さん主催の「風景画杯」で、なんと拙作『指を拾う』が栄えある優勝の座をいただきました!ありがとうございます!

 風景画杯のレギュレーションは「事件が何も起こらないのに面白い小説」。この難しいお題に対して、なんと50作近くもの短編小説がこの賞に寄せられました。
 多くの傑作の中で優勝杯をいただけたことは、大変嬉しいと共に驚きでもあり、また光栄なことでもあります。改めてお読みいただいた皆様全員にお礼申し上げます。
 なお、midoriFantaさんの『あんなに月が綺麗なのに今夜は月が出てない』とのダブル受賞となっております。こちらも一言では言い表せない、本当に素晴らしい作品です。



 さて、せっかくですので、拙作『指を拾う』に関して覚書を認めておこうと思います。
『指を拾う』はレギュレーションを読んですぐくらいにネタができており、発表翌日くらいにはひととおりオチまで書いていたと記憶しています。
 しかし難しいお題ゆえに「うーんトップバッターはこわいな~誰かが投稿するのを待ってそれを読んでからにしようかな~でもその誰かとネタがかぶったらやだな~」などと散々ウジウジし、結局なんだかんだトップバッターになってしまいました。


 風景画杯のレギュレーションをお読みいただきますと、最後の方に「登場人物にとっての日常であれば何が起こっても構わない」という旨の一文があります。
そこから「じゃあ指を拾って食べる話にしよう!」となるまで、頭の中で以下のような道筋をたどったと思われます(うろ覚えになってしまいすみません)。

日常といえば食事や食事の支度だな

でも料理にも食材にもあまり詳しくないから、「なにか突飛なもの」を、食べるために採取することにしよう

じゃあ人間の指がいいかな(過去作内で切断した指をほしがる女の子を登場させたり、人間の手を鳥手羽みたいに調理して食べさせたことがあり、指を作品に出すのが好き)

では「なぜか指が流れ着く場所」を作って、そこにしょっちゅう指を拾いにいくことにしよう。のどかで人のいなさそうなところがいいから河原がいいかな

 おそらくこんな感じだったはずです…(Twitterでも一度振り返ってみたのですが、その記憶すらあやしくて申し訳ありません)

 今思えば「すごくダウナーな女性主人公」といい「人間の指を食べる」といい、自分の性癖が出たなぁ、という感じです。
(もちろん創作上の性癖であり、実際に人間の指を食べたことはありません)
 本当に「レギュレーションに導かれた」という感じで書き上げたので、難しいテーマではありましたが、相性自体はよかったのかもしれません。


 さて、拙作のあやふやな話はこの辺にしておいて、風景画杯には多くの素晴らしい作品が寄せられています。
 以下のマガジンから全作品を読むことができますので、気になったものがあればぜひ開いてみてください。得難い出会いがあるかもしれません。


 それでは最後に、風景画杯に参加された皆様、お疲れ様でした! midoriFantaさん、優勝おめでとうございます!
 そして主催の白蔵主さん、丁寧な全作レビュー、本当に素晴らしかったです。楽しい企画をありがとうございました!

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