
ジュニパーベリーの話
ジンに欠かせないボタニカル、ジュニパーベリーについて書いてみます
Juniper Berry (ジュニパーベリー)
【別名】セイヨウネズ
【原料植物名】コモンジュニパー
【科名】ヒノキ科
【学名】Juniperus communis
【抽出部位】球果
【成分例】α-ピネン、サビネン、ミルセン、テルピネン、カンフェン
学名にはラテン語が使われますが、ジュニパーベリーに付けられている「communis」とは「普通の」という意味で、身近でよく見られる植物に用いられています。
ジュニパーベリーは球果(果実)のことで、その植物は北半球の乾燥した丘陵地域全般に分布しており、最も広い分布域を持つ植物の1つだそうです。
そういえば、マケドニア産のジュニパーベリーを使用していると説明してくれた蒸留所が幾つかありました。

マケドニア産ジュニパーベリー
ジュニパーベリーの香りはα-ピネン、ミルセンという成分により、森林を思わせる爽やかな香りが特徴です。
昔は、ジュニパーベリーに抗菌作用があるとされた時代があるようですが、実際、ジュニパーベリーの精油には抗微生物活性が確認されています。(参考:アロマ関連の本)
そしてジュニパーベリーには利尿効果が期待されるともあり、老廃物排出による浄化もあるかもしれません。(あくまでも期待の話で、薬効ではありません)
ジュニパーベリーに関する説明はここまで。
ジンのキーボタニカルであるジュニパーベリー、このジュニパーベリーの香り(すっきりした森林のような香り)が苦手じゃなければ、ジンを充分に愉しめると思います。
ジンには、ジュニパーベリーを通常の倍量にしているものもありますし、蒸留所によってジュニパーベリーが多めというところもあります。
※注:多めでも、他のボタニカルとのバランスになるため、ジュニパーベリーが強いという訳ではありません
ボタニカルがジュニパーベリーだけのジンがありますので紹介します。
◯XORIGUER GIN(ショリゲル ジン)
蒸留国:スペイン

ボタニカルはジュニパーベリーのみ
ノスタルジックな昔のジンの味わい/地中海の地酒
※ TOKYO FAMILY RESTAURANTについては"クラフトジンを飲みに(多種類ジンがある店)"記事に紹介有
私は好きな味わいでした。
今はボタニカルの種類が多いジンは沢山あり、そのボタニカルの組合わせによる香り、味の違いを愉しめるのもクラフトジンの醍醐味です。
ジュニパーベリーに特化した記事でしたが、飲みはじめるなら、初めは幾つかボタニカルが入った、自分好みかなと思えるジンを選ぶことをおすすめします。そして、自分ジュニパーいける!となったらジュニパー増し増しや、単体のジンなども味わってみてほしいです。
最後に、日本にも和製ジュニパーベリーは自生していますが、量が少なく、ジン原料のほとんどは海外の輸入ジュニパーベリーです。そんな中、国産ジュニパーベリーにこだわられているところがありますので紹介します。
◯日本草木研究所
こちらの「フォレストジン」は、一口含むと森林浴してるような気分になれると思います。初めて飲んだ時は、驚きました。ジンの他にも「フォレストソーダ」、「フォレストシロップ」というノンアルコール製品もあるようです。
クラフトジン、クラフト名が付く通り、土地やこだわりなどの特徴を活かしたジン造りストーリー(背景)に出会えるのも、愉しさだと思います。