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嗅覚(香り)の話
クラフトジンは飲む香水、香りを愉しめるのも魅力なところです。
香りを感じる器官"嗅覚"について、生物とかで習ったような内容ですが、私なりに整理してみます。
"嗅覚"は人間の五感(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)の一つであり、生きる上で重要な感覚器になります。例えば、害のある食べ物から身を守れるように悪臭を嗅ぎ分ける、心地よい香りを嗅ぐことで身体をリラックスさせたりしています。
その香りは、鼻からどのように脳へ届いているのか、図の説明でまとめました。
※下図参照
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鼻→鼻腔(前鼻腔)→嗅上皮→嗅球・嗅皮質→脳
喉→ 鼻腔(後鼻腔)→嗅上皮→嗅球・嗅皮質→脳
〈刺激の伝わり方〉
香り⇨嗅上皮の嗅毛(嗅神経細胞の先端)がキャッチ
⇨香り刺激が嗅神経細胞にて電気信号に変換
⇨嗅球の神経細胞へ渡り
⇨脳(大脳辺縁系→扁桃体→海馬)へ伝えられる
ちょっと専門的な言葉が多いかもですが、噛み砕くと、人間の鼻の中には、嗅ぐための神経細胞が1000万個ほどあって、その神経細胞によって、嗅いだ匂いが脳へ届けるためのシグナル(電気信号)になり、脳へ到達しているという感じです。
そしてその経路は、鼻からのみではなく、口から何かを飲み込んだ時にも鼻の後ろ側から鼻腔へと匂いが届いています。"嗅覚"はこの2経路が正常に機能して健全とされています。
以前の記事、"ジン(香水)の飲み方"にて書いたのですが、香りの違いを愉しめるのも2経路あるからという事が再認識できました。
《"ジン(香水)の飲み方"より一部抜粋》
・トップノートの感じ方
飲む前、グラスに鼻を近づけ、ジンの香り(ジュニパーベリーやボタニカル等の香り)を感じる
・ミドルノートの感じ方
ジンを口に含んだ後、舌を広げて、味や感触、香りを感じる
・ラストノートの感じ方
ジンを飲みこんだ後に、戻る香りを感じる
《抜粋内容はココまで》
最近、"嗅覚"の大切さが再認識されています。
"嗅覚"に関する記事も色々あり、その中で『嗅覚もトレーニングで鍛えられる』というものを紹介します。(参照:アロマ関連本)
香りを嗅ぎ分ける能力は、記憶や経験によって上がっていくようです。また「嗅神経」は再生する珍しい神経のようです。そんな背景から、日々の暮らしの中で、多様な香りと触れること(嗅覚ケア)が、嗅神経の再生へと繋がるのではと期待されているようです。
※嗅ぎ分ける能力は記憶や経験で上がるけれどピークは男性40歳代、女性50歳代とされています
また"嗅覚"が優れていると生存率が高くなるという話(文献)もあるそうです。確かに"嗅覚"が衰えると食欲が無くなるという話もよく聞きますし、香りの電気信号は、脳の海馬や扁桃体といった感情や意欲に関わる部位へ送られていますので、そういう事からも、納得できる話(文献)だと思います。
"嗅覚"についての整理はここまでとします。
クラフトジンは、香りの違いや変化を日常の暮らしで愉しめるものだと思っています。
『日々の暮らしの中で多様な香りと触れること(嗅覚ケア)』をやってみようと思った時、その方法の一つとして、クラフトジンを取り入れてみるのはいかがでしょうか。
最後に、原宿(東京都)にある『AEAJ(日本アロマ環境協会)グリーンテラス』を紹介します。ジンではなくアロマになりますが、沢山の香りのサンプルがあり愉しめます。
※要予約
※AEAJ会員以外の18歳以上は有料
※その他詳細はサイトを確認ください
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香りを愉しむこと、アロマであってもジンであっても善きと思っています。