異国の地での出会い
これから書く話は、日本での出来事ではなく海外にいたときのこと。
ざっくりではあるが、アジアに住んだり、旅していた時期があった。
大震災を経験したとき、
人はいつ死ぬかわからないからやりたかったことをやろう。
そう思ったら、日本を出ていたのだ。
さて、その人生の旅路で出会った男性はそれなりにいたのだが、
まずは、ベトナムで出会った、なんちゃってアーティストさんのお話。
初のベトナムは想像以上にクリーンで快適だと感じた。
(インドに行った後にベトナムに降り立ったのでそう感じたのかも)
しばらく滞在するアパートは大家さんはものすごくいい人で
掃除洗濯も含めて、月100ドル(だったような記憶。もっと安かったかな)
アパート周辺は
私の生まれ故郷よりも人がたくさんいて、にぎわっているように感じた。
どんな風にしてベトナムで過ごそうかなあと考えていたときに
アパートを紹介してくれた子に誘われて、飲みに行った。
出向いた飲み屋でパーティが開催されていた。
いろいろな人種(といっても、ヨーロッパ系の人、韓国、日本人程度かな)が会場にいて、アルコールボトルを片手にノリノリの踊っていた。
音楽をかけている、いわゆるDJをしていた男性(今回お話する登場人物)に目が留まった。
日本人かな?
でも、ここで日本人がDJするなんてあるのだろうか。
興味本位で近づいたら、
突然、マイクを手渡されて、
「なんでもいいから歌っちゃえ」と日本語で言われた。
あ、日本語!
うれしくて、言われた通りに歌ってみた。
陽気な雰囲気にのまれながらノリノリで歌う私。
何を歌ったのか、全然覚えていないが、
それなりのお酒を飲んでいたので楽しい時間を過ごしたのは間違いない。
滞在しょっぱなからスタートが良すぎて、これからのベトナム滞在時間、
どれだけ楽しい時間を過ごせるのだろう!と期待に胸が高まった。
すでに夜も深くなり帰宅しようと思ったら
アーティストさんから「飯行こうぜー」と誘われた。
正直、今から!とびっくりしながらも
せっかくの誘いを断る理由はなかった。
そう、ここから地獄のはじまりだったのだ。
つづく