念願のクリスマスデート
モラハラ男とお付き合いをスタートさせたのは秋頃。
もしかするとクリスマスを一緒に過ごせるか、と思いつつ、
私たちはサービス業勤務だったので
クリスマスなんて、当たり前のように働いていたので期待はしていなかった。
が、しかし!
その年のクリスマスは私たち2人ともお休みをいただいたのだ(完全シフト制。2人同じ日に休めること自体が珍しいので、内心、付き合ってるのが上司にバレているのか?とハラハラした。いや、誰も知らないはずなのに)。
本当に休んでいいのかなと思いながらも、
せっかくなので
カップルらしいクリスマスデートをしたいと
当時の夢見る夢子のような私は
初めて「一緒に箱根へ出かけたい!」と自ら提案した。
「いいよ」の一言だけきたのだが、
翌日、⚪︎⚪︎美術館に行きたいとラインがきた。
(おー、ノリノリじゃん! よかったー!)
念願のクリスマスデートを迎えるにあたり、
今までダサいと言われていたことを払拭しよう気合いをいれた。
クリスマスカラー(赤とか)を取り入れた
大人っぽい服、
メイクアイテムやピンクゴールドのアクセを購入。
ここぞとばかり、
クリスマスを楽しもうとしている自分にビビリながらも、「女の子」を楽しめていることが嬉しかった。
極め付けに、人生初めてのカラコンも買ってしまった。
少し前に、カラコンぐらいしろよと彼から言われていたので
(いい年してカラコンをしていいのか?)と思いながらも、メガネ屋さんで試着。
それなりに可愛くなっている自分に驚いた。
そして、その直後には
こんなふうになれたのは彼のおかげ!と彼への感謝していた笑
さて、クリスマスデート当日。
当たり前のように車を出す私。
(彼が運転して出かけることはほぼない。なぜなら、車の中でお酒を飲むからだ)
待ち合わせ場所まで行き、彼を見つけて横付けをした。助手席に乗ると、
「やればできるじゃん」
と低いトーンで、抑揚もなく、そう言った。
一瞬何のことかわかなかったが、
私の見た目を褒めてくれたようだ。
そうわかった瞬間、
テンションが上がり、
「ありがとー!!」とお礼をいっていた。
(まるで子犬が飼い主に褒められてうれションしたかのようなテンションだった)
さて長い長い道中、
彼に「音楽を流せ」といわれたので、唯一車にあったCDをかけた。
(Spotifyを登録していたが、うまくアクセスできなかった)
私は20代の頃、よくクラブに行っていたせいもあり、クラブミュージックが好きなので
車にあったCDは大沢伸一氏、DEDE MOUSEだった。
それらの曲をかけると
彼は「何この音楽、だせー。もっと最新の音楽かけろよ」と文句を言われた。
正直、幅広く音楽は聴いてきた私としては
嗜好を否定されて
(あー、趣味が合わないか、音楽性の不一致だわ)
とまるでバンドが解散する理由が浮かび、
この人とはやっぱり無理かもなーと思った。
褒められた矢先に、否定。
もっと受け入れてよって、彼に初めて思った感情だった。
つづく