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Cureusについて

Cureusというオープンアクセスの医学雑誌があります。恥ずかしながら知ったのはここ3年です。

https://www.cureus.com

見るとたくさんの症例報告があります。私は、長い間、論文恐怖症でした。上司に30回近く、直しが入って37回目の原稿内容が3回目の内容にほとんど回帰してたり、なんとかOKもらって、投稿するも査読前に編集部で切られる。なんてことがあって心が折れてしまいました。2020年、コロナ禍になり、病院の形態上、暇になった私は、なんとなく症例報告を書いてみようかなという気持ちになり、溜まりに溜まった症例を少しずつ書いてみることにしました。しかし、能力か、ブランクか、とにかく構成も英文も酷いものでした。Cureusはなんとなく、耳にした気がありましたが、乾燥肌のスキンケアメーカーと混同していました。他雑誌で過去ダメでお蔵入りした症例報告をCureusに投稿することにしました。

Cureusの投稿

他の雑誌はWord file、画像JPEG/TIFF file、署名入りのPDF fileをアップロードするのですが(それでも以前の郵送に比べれば相当楽)、Cureusはサイトのフィールドに本文や画像をペタペタ貼っていきます。Tableはカッコよく作って準備してもCureus仕様になっちゃうのはご愛嬌。SNSに投稿する感覚です。後、Cover letterがいらない?感じでしたが、不安だったので最初は投稿時に編集部にわかるようにコピペしました。投稿時、英文が下手だったり、引用文献の記載に不備があると、Preferred Editingしたら査読プロセスに移りますので、そのPreferred Editingの支払いをお願いされます。基本無料と言われたたので、最初の投稿でこれをくらい、私は激しく動揺しました。査読は投稿者が指名した最低5人以上の査読者の一人と、Cureus側が指名した査読者一人の査読が完了したら、再投稿プロセスの始まりです。再投稿も非常に簡単です。そしてアクセプトを待ちます。Cureusは基本Rejectはしない。と聞いていたのですが、サイトを見るとアクセプト率60%!あれ!ダメかもとトラウマが蘇りましたが、無事アクセプト。途中、アクセプト前に“Awaiting Copy Editing“と2日ほど表示されたままで、なんとも言われぬ不安に駆られました。掲載後、早くPubMed Centralに載せるけど課金だよ。と言われるのですが、そこはスルー。でも1ヶ月ぐらいには無課金でも掲載されます。

最近は、Preferred Editingをくらうこともなくなり、無課金で掲載までいけます。また、以前は国立病院勤務で英文校正とかも研究費で出してもらったのですが、民間病院に移り、趣味の症例報告のために、病院費用を使うのはまずい/不可と考え、英文校正も業者ではなく、Grammarlyさんにお願いしています。Grammarly大好きなので、これは後で書こうと思います。

Cureusの査読

こんな私でも、3、4本Cureusに投稿したあたりから査読依頼が来ました。査読プロセスも非常に敷居が低く簡単です。アカデミックに長らくいない、一町医者の私が査読していいもんかと思うのですが、査読自体、非常に勉強になります。なぜなら、投稿された論文は私よりみんな優れているからです。今年は30本ほど査読しました。私の方針は、みんな忙しい中、症例報告をわざわざ書くという高い志があるから、基本投稿時点でアクセプトです!。また、若い時の自分のように論文恐怖症にならないように、「あ、症例報告って楽しいなぁ」と思ってもらえるように査読します。基本褒めです。強いてあげると私にもわかるように、図に矢印をつけてほしい。後、いきなり略語はやめてけれ。IntroductionとConclusionは短く。Learnig pointを明確に。くらいかな。最近は、特に投稿される論文の質が高いです。GrammarlyやChatGPTなどAiの効果ですかね。私はそういうAiの利用はすごくポジティブに捉えています。

終わりに

昨年あたり、Springer Natureグループに入った影響か、アクセプト率はやや低下しています。投稿か掲載までに時間がかかるようになった一方で、前述のように論文の質は向上しています。私は来年で50のおっさん医師です。今年あまり書けなかったけど、若い先生に追いつけるように投稿していきたいと思います。

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