元カノの曲しか書けない。

僕は元カノの曲しか書けない。
厳密に言えば書けない訳では無いのだ。
決してそのその子に未練がある訳では無いただただ言えなかったことを聞いて欲しいだけなのだ。
なぜならバンドを始めた理由も結局最後まで自分の気持ちを直接言えなかった惨めなバットエンドの恋愛をした自分が今相手に自分の言葉を伝えるためには曲を書いて音に乗せて歌うしかない。そのためだけという訳では無いが(友達に興味を持たられたいとか女の子にチヤホヤされてみたいとかみんながやってないことをしたいとかもある。)
なので僕はその子の曲しか書けないのだ。
そしてその子の曲だからどんなに明るいメロディーを思いついても結局悲観的な歌詞が完成してしまうのだ。

初見のお客さんなんて歌詞なんか聞いてないしただただステージから出る爆音の音楽に膝や肩や頭を使って乗っているだけなのだ。だから僕はいつもMCで歌詞についての話をする。特に深い意味は無いのだ。ただただいつか「○○(その子)に届け！」って思いながら必死に声をがならせて歌ってるのだ。