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*フィクション* 哀しい 仕返し


もう二度と あなたに 笑顔を見せてあげないの。

あなたに背中を向けているとき あの人を思い出しながら あの人と交わした なにげない 一言で微笑ほほえんでしまった自分を思い出して そっと 笑顔になるの。



 もう二度と あなたに可愛い声は 聴かせてあげない。

あの人と会った時は 幾分いくぶん高い声で話しをしているのよ。


私の言葉遣い、ずいぶん 凛々りりしくなったでしょ?

あの人と会っている時は とても可愛らしい 女の子の様に 話すのよ。 まるで自信のない 女の子の様に。


あなたにはもう お願い事は しないと思うわ。

あの人には 可愛らしくお願い事をするの。
とても素直に頼めるのが 自分でも不思議ね。



ねぇ、いつから 私は可愛くなくても 大丈夫に
なったと思う?

それはね、『自分でなんとかしなくちゃ!』の時間が長すぎたからよ。


私の話をいい加減に聞いて 大事な事を 聞き逃した
あなたのせいよ。


だから あなたにとって 私はもう 可愛い女でいる
必要は無いわ。


あなたはキットこう言うわ
__「君には なんにも 分かりやしないさ。」


そのまま その言葉を お返しするわ。
__「何も分からないのは あなたよ」って。


ホラ 今も 私の気持ちが 分からないでしょ?

ずっとそのまま その分からない荷物を抱えたまま
暮らしてくださいね。


____ごきげんよう、さようなら。

                              *フィクション* 哀しい 仕返し