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文鳥のP君の話⑤

P君はオスの白文鳥でした。
体は大きめ。一羽飼いの子でした。

私が断トツでパートナー認定されていました。放鳥中、たまたま部屋から出ていったりして居なくなり、仕方がない時は、家族の方にシブシブ近寄っていく…そんな分かりやすい順序ができていました。

甘噛みも、私だけ。甘噛みしながら可愛いピンクの舌でペロペロ舐めるのも、私の指だけ。
なぜか家族は甘噛みからの、全力噛み。菱形のクチバシの跡が付くこともよくありました。
ここまでハッキリ順位付けされてしまうと、家族が可哀想で…。

放鳥中は、ナゾの三角関係が勃発することもしばしばでした。

夏の暑い時期に思い出すのは、短パンの中に潜って遊ぶ、P君の大好きな「探検ごっこ」です。

家族が夏、短パンを履き出すとそれは始まります。

フローリングに横たわった家族の足元から、頭を低くして忍び寄る白い鳥影。少しクネクネしながらズボンと足の隙間を狙います。
ギリギリで体が当たらない隙間を見つけると、チョット顔を入れては出して、家族の顔と私の顔を見てアイコンタクトを取ったのち、スルスルとズボンと足の隙間に……

〝グルグルルルル〜〜🎶“

初めはご機嫌に探索をしています。
時には隙間調整のため、ズボンや肉(⁈)を内側から突きます。
人間はP君を押し潰さない様、身動きを我慢します。


〝グルグルルルル〜〜♬♪♬♪“

だんだん気分が乗ってきて、隙間調整が激しさを増します。肉(⁈)も突かれ放題です!


〝ギャルルルルル!!!ガブッ◇💢“

〝ギャ〜助けてぇ〜!“

で、P君をズボンの中から矯正撤去して、探検ごっこは終了です。


これは暑い時期の風物詩です。

自分から進んで探検しに行く→ご機嫌になる→
ブチギレして肉を突きまくる→矯正連行される
この一連が楽しくて楽しくて♡

なぜか、私が短パンを履いても探検はしないのです。なにが違うのかわからないですね。温かさとか?湿気具合とかでしょうかね?
どんなに暑くても、手の中で〝握りブンチョウ“されるのを至福としていたP君。
握っているとね、嬉しいけど、人間も暑いんだよ。

         (今年も暑くなってきたよ、P君)