ノートの隅に、好きな歌詞を書き込んで。
高校の授業中にやっていたのが、
好きな曲の、一番グッとくるフレーズを
ノートの隅っこに書き込んで、脳内リピートする
という一人遊びだ。
無論、誰に見せるでもなく自己満足だけのために。
声も出さず、音も立てず体も揺らさずに、そっと。
実年齢より少し背伸びした、胸が苦しくなるようなせつない歌詞が好きだった。
マイナー(短調)な曲を、主に好んでいたように思う。
今でもそれは変わらない。
幾つか 思い出して書いてみる。
小田和正さん アルバム『 K.ODA 』
⚫︎哀しみを、そのまゝ(そのまま) より
ー 君が何かを 言いかけて 止めた
僕は君を 強く抱きしめる ー
⚫︎冬の二人 より
ー 君の 声が かすかに 震えて
「このままじゃ ふたり 駄目になる」 ー
以下 OFF COURSE さん
アルバム『 Still a long way to go 』
⚫︎夏の別れ より
ー もう何もいわないで 肩に手を触れないで
諦めたその愛を また追いかけてしまうから ー
アルバム『as close as possible 』
⚫︎嘘と噂 より
ー 嘘も噂も 記憶の彼方へ
夜よ 流して ひとときの間でも
歩道が濡れて灯りが滲んで
これで このまま 駄目かも知れない ー
アルバム『 IT’S ALL RIGHT 』
⚫︎call より
ー 受話器を はさんで 夜の中
もう なにも 責めない 今から来ないか
同じこと繰り返すだけ
分かっていても もう止められない
つづけて つづけて この愛を
つづけて つづけて つづけて ー
⚫︎夏から夏まで より
ー 君がつぶやいた 「もう、ダメかな……」
その時ふたりの中を 風が吹きぬけた ー
駄目になっていくばかりの、望みがないような
歌詞ばかりの中で、最後に風が吹きぬけてくれたのが良かった…。
ふたりの仲が好転したのかどうか気になる方は
お調べいただくとして…。
実生活の中でも当時悩みが多くて、すぐに解決できないこともあって、とてもハッピー♡な曲を聴く気にならなかったことも、十分に影響していた。
毎日学校には行くけれど、これから先、自分はどうなっていくんだろう。どんな大人になっていくんだろう。誰と人生を共にして、どんな苦労をしていかなくてはいけないんだろうかと、暗いことばかりを考えていた。
人によってはこんな時、敢えて明るい曲を選んで、気持ちを引き上げたりするのだろう。
でも自分にはそれができず、同じ様に悩んでいる
苦しそうな歌詞の中の主人公達に近づいて、同調して、心ゆくまで沈んで・落ちてゆく気分を味わっている方が、むしろ自分らしかった。
無理矢理解決しないところが自分らしい。
数十年経った今も、それは変わらない。
たまに、敢えて明るいPOPな曲を聴いてみることもあるが、それはなにか体を動かして作業をしなければいけない時が多いかもしれない。
最近、昭和・平成初期の音楽が聴かれているそうで
ちょっと嬉しい。
新しい音楽を世に送り出すことも大切だけれど、
昔の音楽や歌詞にも、なかなか素敵なものがあるので、若い人にも聴いて欲しいなと思ったりする。
「アニソン界の永遠の大型新人」と自ら名乗られている鈴木雅之さんの声も、ドラマがあって素敵だ。
なんと色気のあるお声なのだろう…
あの声色で毎朝起こして頂いたら、毎日が薔薇色に変わるかもしれない🌹