桜の木の書斎机
今、スマホを持って机に向かっています。
この机、中学生の時から使っている、とても古いものなのです。
全体的な色は濃いめのブラウン。
天板・棚口(引き出しを囲っている部分)は桜の木。脚・貫・袖引き出しの正面から見えるところは、表面が桜で仕上げてあるという、少し贅沢な書斎机なのです。
小学校に上がる時、クリーム色と茶色の可愛らしい学習デスクを買ってもらいました。
でも体の大きさに合わなくなってしまい、買い替えることになったのは、中学生になる春でした。
今もある、家具メーカーに行きました。
まだ子どもだった私を店員さんは学習机コーナーに案内します。
「こちらのパープル系などいかがですか?机の上に幅の調節可能な本棚と機能的なライトがセットになった学習机です。机の横にはフックが付いていて鞄もかけられますよ。椅子もキャスターが付いていて……」
全く心に響かないなぁ。
もう、こんな感じの机は違うのに。
断る言葉が上手く出てこなくて、
「あの、…。」とか「えっと、…。」とか文章にならなかった。
だからね、自分で自ら売り場を移動して、こういう机が良いんです!っていうところに行ったんです。
ソレは、大人の人が自分の部屋に置くような机がいっぱいディスプレイしてあるコーナーでした。
そして、一番理想に近かったのが、今、noteを書いているこの書斎机でした。
お店の人はとても驚いて、引き止めようとします。
「お嬢様のお歳では、渋すぎるのではありませんか?本棚がないと教科書が置き切れないのではないですか?お部屋が大変地味な印象に……。」
心配してくれるのはいいけれど、どうしてコレが良いのかは聞いてくれないのかなぁ。私はずっとコレが長く使いたいから(もしかしたら一生)コレが良いのにな……なんて思ってた。
散々引き止め心配されたけれど、一緒に見に行った父親が「娘がコレでいいと言っている物でお願いします。」と言ってようやく決まりました。
本棚は、別売りのものをチョコンと乗せる事で解決して、ライトも別売りでポンッと乗せることにしました。
机君は知っています。
中学の勉強が上手くいかない時や人間関係で悩んだ時のこと。
なぜ友達と反対方向にある高校へ進んだのかも。
高校生活最大の受験勉強の大変さに焦ったこと。
合格はしたけれど、その先の大人になる不安に押しつぶされそうになったこと。
就職して、毎日毎日お化粧をしなくちゃいけなくて大変だったこと。
ー結婚が決まったー
机は絶対持って行くと決めていた。
嫁入り道具としてはどうかなぁと思ったけれど、
コレは大事な物だから…ね。
そして今、やっとゆっくり部屋に設置してあげられた。引っ越しも、もう無いだろうから。
この机は運ぶ際に分解ができないタイプなんだ。
引き出しが取り外せるだけなので、階段や廊下の
幅がスレスレで通れる大きさなんだよね。
もう、ずっと一緒にここに居ようね 書斎机君。
コレからもどうぞよろしく。