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*フィクション* もどかしい彼女

もし仮に 彼女のことを想う 心の強さを計る道具があったら 俺は使ってみたい。

一度 自分の気持ちに ケリを付けたハズだが どうしても納得がいかなくなって こうして また思い悩んでいるなんて まったく なにをしているんだか……。

想いを伝えたとしても それは自己満足以外の何ものでもなくて ただ相手を困らせるだけだと 分かることがある。
刹那せつなの  自惚うぬぼれた幸せもどきの為に  彼女を巻き込みたくない。
でも この想いは どうしようもなくて 絶え間なく溢れてきて 枯れることも とめることも 今はもう できない。

残酷なことに これから幾度となく 彼女に会う日々を過ごす事は決まっている。

嬉しいはずなのに もはや苦しくて 笑みを浮かべ 屈託なく話しかけてくる彼女が視界に入った途端に  目を逸らしたくなるこの気持ちは どうにかならないだろうか。

自分で自分を情けなく思えて 見下したくなる。

だが反面 彼女の新しい一面を発見した時の 高揚した気分ときたら 少し落ち着けよと 戒めたくなるほどで 全くもって 情けないったらないじゃないか。


1年前 彼女の姿を見る前は 全く なぎの様な毎日だったんだ。無風に近くて 遠くに かすかに景色が見えるほど 周囲には 心 踊らされるものが何も無かったんだ。

それはそれで 良いと思っていた。退屈を退屈とも感じない心が出来上がっていたのかもしれない。

でも 彼女があらわれて 俺の悪癖あくへき物怖ものおじせず『それはよろしくないんじゃ無いの?』なんて言い出すから カチンと来たけど グサっとも来て
もぅ 降参さ。

年内は予定がぎっしりで 動けそうも無いけれど 来年の2月なら休みが取れそうだ。上手くいけば 連休が作れるかもしれないな。
ネコ型ロボットに道具が借りられないのなら 自力で動いて なんとかしてみるさ。

どう動くか… まずは 自分の得意分野を知ってもらうことから始めようか。
一方的な振る舞いはきっと 『宜しくない』からな。



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