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ジャグリングをもっと身近に。jugmap誕生の背景

はじめまして。jugmap運営の小緑(こみどり)と言います。「こみけん」という名前でジャグリングをしている子の父親です。
ここ数年、子どもに連れられて、いろんなジャグリングイベントに行きました。ジャグリングに触れれば触れるほど、その面白さを多くの人と共有したいなぁと思い、jugmapというWebサイトを仲間達と作ろうと動いています。


きっかけは2022年のJJF

当時小学5年生だった子どもがジャグリングに熱中していて、日本最大のジャグリングイベントJJFに行ってみようということになりました。
「何も」「誰も」「プログラムも」分からないまま、ただ「ジャグリングのイベントだから」という理由で参加した。そんな状態でした。
参加したら、期待以上でした。熱気&活力溢れるエネルギッシュな場。楽しそうに交流し、一心不乱に練習して、とことんジャグリングに興じている姿がたくさんあり、息子も私も楽しめました。

ただ、ちょっと、疑問も。

てっきり、小学生くらいの子どもに溢れる場だと思っていたのですが、実際、大学生多め。男性多め。小5の息子が最年少参加者でした。
もちろん、保護者同伴や、費用や、場所や、仕事のことなど、いろんな制約から一人で自由に動ける大学生の参加が多くなるのはわかる。

でも、何かがおかしい。
もっと、ジャグリングにハマる人って、日本最大のジャグリングイベントに参加する人って、幅広くてもいいのでは?と感じました。

ジャグリングの現実とポテンシャル

ジャグリングって、人類が道具を使いはじめた頃から存在していて、古代エジプトの壁画にも記録されているというのは有名な話。

ナランハさんのボールジャグリング入門にも書いてありますよね

ものを投げたり、組み合わせたり、という広い意味でのジャグリングって、紀元前から、今この瞬間まで続いている。そう考えると、未来永劫なくならいのでは?とも考えられる。
もっと色々調べてみると、
・ものを投げてキャッチするという普遍的な単純明快さがあって、
手軽に始められ、場所を選ばず取り組めて、
・激しさもなく、年齢や性別問わない運動だし、
脳にもマインドフルネス的にも良いという論文があったり
・抽象(芸術)から、具体(競技)まで表現が幅広いし、
・一人だけでなく、チーム競技も存在している

つまり、
●過去から未来という【時間的】にも、
●年齢や性別が問われないという【属性的】にも
●芸術から競技まで自己表現の【自由さ的】にも
ジャグリングって、誰でも受け入れてくれる優しさがあると感じてます。

なのに、日本の愛好者は4万人(日本ジャグリング協会)。
約1億2000万人の日本人口の0.0003%
1万人集めて、3人程度。。。す、少ない。

ものすごくギャップを感じます。

上記の通り、ジャグリングは、魅力あふれる運動だという事実は変わらない。にもかかわらず、現状、愛好者が少ない。

きっと、このギャップには、ジャグリング愛好者が増えない構造的な課題がありそうだな、と思うのです。

ジャグリング愛好者が増えない理由

結論から言うと、愛好者が増えないのは、ジャグリングにおける「5つの場の少なさ」なのでは?と思うのです。
5つの場とは、これです。

5つの場

ひとつずつ詳細お伝えしますね。

【出会う場】の少なさ

今、ジャグリングと出会う場って、商業施設や大きな公園でイベント的に開催される大道芸やパフォーマンス場が多いのではないでしょうか。
ただ、それはあくまでも「見る側」としての出会い。「やる側」として出会う場は多くないように思います。
「なんでジャグリング始めたんですか?」
ジャグラーとお話する時に必ず聞きます。
「高校や大学でジャグリング部(サークル)があったから」
感覚的には7割~8割くらいの方が、そうおっしゃいます。まだまだ、ジャグリングをやる側として出会う機会が限定的なように感じます。
ジャグリングのポテンシャルから言うと、もっと多様な出会い方がありそうです。例えば。
・集中力や適度な運動や特技や成功体験の積み重ねという観点では、子どもの習い事も良さそう
・手軽さや、マインドフルネスや、ストレス解消といった観点では、社会人にも良さそう
・健康、ダイエット観点、有酸素運動という視点では、性別を問わず幅広い年代の方にも良さそう
実際、EJCなどの海外ジャグイベントだと幅広い年代の方々がそれぞれのジャグリングを楽しんでいると聞きます。
そう考えると、世の中への新しいジャグリングとの出会い方の提案って、色々できそうだな、と考えてます。

【始める場】の少なさ

出会ったとしても、「始める」にもハードルがあるのが、今のジャグリング。
そもそも、1万人集めて3人くらいの人口。まわりにやっている人がいないので、話が聞けないし、様子がわからない。また、道具と密接な運動なのに、道具に触れる機会がありません。今、店舗をリアルで構えているジャグリングショップはナランハさんくらい。
しかも、「ボール」という道具だけみても、重さや大きさや形や素材や値段など、比較検討事項が多すぎて、始めたばかりの人が選ぶのも一苦労。。。

せっかくジャグリングと出会った人が、もっと始めやすくなるような、信頼できる情報や相談先といった、「場」があるといいなぁと思います。

【広げる場】の少なさ

せっかくジャグリングと出会って、始めたものの、動画だけだと、道具の持ち方や投げ方や軌道やコツがよくわからなかったり、本などの文字情報だと、理解しきれなかったり、結局、自分のジャグリングが広がらず、カスケード(ボールジャグリングの一番の基本技)で終わり。というケースも多そう。

軌道一つ変えるだけで、投げる位置を変えるだけで、足や頭や腕を使うだけで、タイミングをずらすだけで、見え方がまったく違くのがジャグリング。
もっというと、たった3つのボールだけで、無限の技が繰り出せるのがジャグリングです。本当に奥深い。底が見えない。

つまり、ジャグリングの面白さって、この広がりにあるといっても過言ではないのに、広げずに(厳密にいうと「広げられる」ということを知らずに)ジャグリングと距離が遠くなってしまう人が多い。

身近にジャグリングをやっている人がいないケースでも、ジャグリグには奥深さがあるという事実を知っている状態、そして「広げていく」順序やロードマップが整理できている状態がつくれるといいなと考えてます。

【続ける場】の少なさ

何事も、継続にあたって、仲間、ライバル、コミュニティといった他の人の存在は大きいもの。
ジャグリングも、部活、サークル、地域練習会、イベント、などのプラットフォームは存在しているものの、ごく限られた地域のみなのが現状です。

「愛好者の人口が少ないから」という理由につきるかもですが、手軽で、年齢や性別を問わず、誰でも取り掛かりやすいのがジャグリングです。ガチの人も、楽しむだけの人も、ジャグリングを通して交流が生まれる場がもっとあると、長く続ける人が増えるのではないでしょうか。
まずは、そのような交流の場をオンライン上に設けられれば、居住場所に左右されることなく、身近にジャグラーを感じられる状態がつくれるんじゃないかと考えてます。

【極める場】の少なさ

日本でも、ジャグリングを極めて、世界的に称賛を浴びている方はたくさんいます。ジャグリングを極めていくモチベーションとなるような大会やイベントもあります。プロフェッショナルとして「大道芸」という道もあります。
ただ、極めた先の「選択肢」と「ベネフィット」がまだまだ少ないのが現状ではないでしょうか?

ジャグリングって、国籍や年齢関係なく、世界中の人に、わかりやすく伝わる自己表現です。世界中から受け入れられるポテンシャルのあるコンテンツ。
ジャグリングを極めるコトって、野球やサッカーや、その他オリンピック競技を極めるコトと同等の称賛と名声と名誉が与えられても良い気がします。
そして、そこに紐づく経済的な対価もあって良いのではと思うのです。
そんな【極めた先の姿】が今よりももっともっと見えるといいなぁと考えてます。

ジャグラーインフラを整えたい

こう考えると、大学生にジャグラーが多いのも納得です。
部活やサークルって、【出会う→始める→広げる→続ける→極める】全てのきっかけがあるから。

逆に、部活やサークルが身近でない人って、この5つの場のどこかしらに分断が起こっているのではないでしょうか?

約20数年前、一人でジャグリングをはじめて、すぐにやめてしまった当時の自分もそう。たまたま「出会って」、「始めた」けど、「広げる」も「続ける」も不十分。「極める」は足を踏み入れることすらできないまま終わりました。

そんな当時の自分や、これからジャグリングとの距離を縮める方のために、「出会う」「始める」「広げる」「続ける」「極める」、このプロセスを閉ざさないジャグラーインフラを整えられると、すごく良さそう。

ジャグリングがもっと身近な未来

ジャグリングって、すごく良いコミュニケーションツールだなぁと思ってます。

どんな技、どんな道具、いつから始めて、どんな練習してるの?
この技、あの技、どうやるの?あの映像見た?すごくない?

自然と会話が生まれ、知らない人でもぐっと距離が近づきます。

子どもも大人も年配の方も。
日本全国の公園や広場に行くと、誰かしらがジャグリングをしていて、そこから関係性が育まれる。
ジャグリングにはそんなポテンシャルがあると信じているし、そんな未来を想像しています。

jugmapについて

以上から、「出会う」「始める」「広げる」「続ける」「極める」といったジャグラーインフラに効く、Webサイトを作ろうと仲間と動いています。
日本のジャグリングを支え続けてきた多くの方々に協力頂いてます。

jugmapキックオフの写真 

ここからjugmapについて書くと、さらに長くなりそう。。。なので、また別記事でお伝えしますね。

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