個人的「ジャグリングをデザインする」ということ

こんにちは、じゃぐたくと申します。こちらの記事はジャグリングアドベントカレンダー2022の12/20分の記事です。

2021年からフリーランスで活動しております。そのため名刺を新しく作成しました。主な仕事はジャグラーとシステムエンジニアなので名刺には二つの肩書を載せています。

一つは「system engineer」、そしてもう一つは「juggling designer」(ジャグリングデザイナー)です。Google検索では「juggling designer」という単語が出てこなかったので、なんとなくつけてみました。また胡散臭い感じですが。

こんなわけで今回は肩書をジャグリングデザイナーにした理由と、個人的なジャグリングのデザインとはどういうことかということを書いていこうと思います。

juggling designerにした理由

アーティストとデザイナーの違い

まずジャグリングデザイナーの対比として、ジャグリングアーティストという肩書を使用する方がいらっしゃると思います。アーティストをWikipediaで調べてみると、

芸術家(げいじゅつか)とは、芸術作品を創作・創造し、表現する人。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B8%E8%A1%93%E5%AE%B6

とありました。そして芸術は、

芸術(げいじゅつ)またはアート(希: (η) τέχνη、 téchni、羅: ars、英: art、仏: art、独: Kunst)とは、表現者あるいは表現物と、鑑賞者が相互に作用し合うことなどで、精神的・感覚的な変動を得ようとする活動を表す。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%8A%B8%E8%A1%93

とありました。つまりジャグリングアーティストとは、ジャグリングによる表現により精神的な変動を得ようとする方々ということになるかと思います。

一方デザイナーを調べてみると、

デザイナー(英: designer)は、視覚領域において意匠計画や図案、設計を手掛ける人のこと。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%8A%E3%83%BC

とあります。しかしながらジャグリングで意匠や図案を作るということはほぼ無いため、ここでいうデザイナーは空間デザインをするタイプのデザイナーという意味で考えます。空間デザイン(スペースデザイン)は以下のような説明がありました。

スペースデザインとは、「空間」をデザインすること。空間デザインとも言う。
インテリアデザイン、彫刻との関連が強い。都市設計や建築などにおいて、空間に美術品を設置したりディスプレイを行い、作品とする。特に、美術品を空間と一体化させることをインスタレーションと言う。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3

ということで、ジャグリングデザイナーとはジャグリングを或る空間と一体化させた作品を作る人ということになります。

一応辞書的な説明をまとめてみましたが、個人的なアーティストとデザイナーの違いは以下のようなものだと思っています。

  • アーティスト:自身を何かの手法を用いて表現・創作する人。

  • デザイナー:他者・他のモノを何かの手法を用いて表現・創作する人。

ちなみに上記の違いは、デザイン系の高校に通っていた友人曰く「最初の授業でほぼ同じことを先生が言っていた」とのことだったので、私的にはしっくり来ている違いです。

個人的に思うジャグリングデザイナーとは

アーティストとデザイナーの対比をしてみましたが、これを踏まえて私が思うジャグリングデザイナーとはどのような人なのかを纏めてみます。

私的には、ある空間でジャグリングをするときに、どのようなジャグリングが最適かを考えて実行する人だと考えています。

空間(ジャグリングをする会場)によって内容を変更するというのは多くの方がごく普通に行うと思います。例えば、

  • トークの有無

  • 道具や技の内容

  • BGM など

これらは、例えば観客の多くが小学生の方々か企業幹部の方々かで大きく変わると思います。そしてこれらを実践している方も多いでしょう。

これに加えて特に私が考えていることが、その空間でそのジャグリングをする意義があるかです。この空間だからこそ意味が出てくるジャグリングをすることが、よりデザイナーという肩書を強めるのではないかと思います。

なぜ肩書をジャグリングデザイナーにしたか

大前提として、私は別に何か伝えたい感情や表現があるわけではないです。そのためジャグリングアーティストと名乗るのはあまりにも烏滸がましいと思いました。また単にジャグラーとするのも、天邪鬼な私としてはしっくりきませんでした。

そんなときに思いついたのが、ジャグリングデザイナーという言葉でした。各会場で内容をコロコロ変えて、その会場だからこの内容にするということを普段から行っていたため、デザイナーという言葉が丁度良いのかなと思いました。

そんなことを言っておりますが、特に名乗る人がいなかったため勝手に名乗っているだけです。最初に名乗ったら何か強そうなので(小並感)。正直ジャグリングデザイナーは基本的にほとんどのジャグリングパフォーマンスを行う方に当てはまるであろう肩書だと思っています。

ジャグリングをデザインするとは

先に書きましたが、その空間でそのジャグリングをする意義があるかということを考えるのがジャグリングのデザインの軸になると思います。ここではどのようにその意義を考えるかを纏めていきます。

ジャグリングをデザインするときに関わってくる要素として、主に以下のものが考えられます。

  • 観客

    • ジャグリングに関する知識量

    • 所属、年齢など各個人に関する要素

    • ジャグリング以外に関する知識量

  • 会場の環境

    • 床、天井、広さ、屋外or屋内など物理的な要素

    • イベントのテーマ

    • イベントが開催される会場自体のテーマ

他にも細かくしていくと色々考えられますが一旦これくらいで。これらの要素について幾つか触れていきます。

ジャグリングに関する知識量からデザインする

ジャグラーの中(主語がデカい)でよく使われている概念として、「ジャグラー向け」と「一般向け」という区別がありますが、それをもう少し分解するとジャグリングに関する知識量の差ではないかと思います。

例えば観客がジャグラーばかりの場合、ジャグリングを知っている人が多い=ジャグリングや道具の説明をする必要が無いということが予想できるため、ジャグリングの内容としては基本技をせずに応用技から始めても大丈夫なことが多いです。
逆に観客がジャグラーではない人ばかりの場合、ジャグリングを知っている人が少ない=ジャグリングや道具の説明をしたほうが良い可能性が高いため、ジャグリングの内容は基本技から始めてジャグリングについてや道具の特徴等の説明をすることが多いのではないでしょうか。

またジャグラー向けでも、メインで扱う道具が異なるジャグラーではそれぞれの道具に対する知識量が異なり受け取られ方が違ってきます。例えばディアボロをメインで扱う人たちにとっては当たり前の技でも、ディアボロを普段扱わない人からすると難易度や新規性が高く感じられる技があります(逆も然り)。

具体例を出すと、来年1月にも開催が予定されている静岡ディアボロコンテストで過去に私が披露した演技は、ディアボロの通常の使い方を知っている観客がほとんどであるという前提を踏まえた内容が多いです。一般的なディアボロの特徴を分かっているからこそ面白いと思っていただけるような内容になっていたと思います。ジャグリング初見の人に生クリームのやつ見せちゃダメでしょ

ジャグリング以外に関する知識量からデザインする

A高校のα先生のモノマネが、A高校で披露したらウケるけれどB高校ではウケないということは想像できるのではないでしょうか。同じようにジャグリングを観る人たちが知っている情報を踏まえた内容を披露することは、良い反応を貰えると共にその場で披露するジャグリングだからこそという特別感が生まれると思います。

例えば企業イベントでグラフィックポイを用いて企業ロゴを映し出すという演出、これはこの企業イベントだからこそ効果が発揮される演出です。他にも、会場に関連したものを表現したり時事ネタに触れたりすることもこれに当てはまるかと思います。具体例としては

  • 風車がある公園で2ディアボロの扇風機を風車として披露。

  • 流行の楽曲で、その作品から連想される演技を組み込む。

などはこれに当てはまるかと思います。

イベントのテーマからデザインする

ジャグリングを披露する時に開催されているイベントのテーマを踏まえてジャグリングをすることもあります。

私の出演したイベントで説明しやすい具体例として、異世界住人のパフォーマンスライブというイベントがあります。その名の通り異世界住人の方々がパフォーマンスをするオムニバスライブです。
しかし私はただの一般市民。それでもイベントのテーマ的に普段通りの大道芸をする意義がないため、異世界住人風の衣装を着て異世界風なBGMに合わせ、他でもないこのイベントの為に作成した演目を披露しました。

またこのようなライブに限らず、競技会のルールに即した演技作りもこれに近いかと思います。各部門で制定されているルールに合わせた演技をして高得点を狙うのは、各部門のルール≒各部門のテーマに即したデザインをするということではないでしょうか。
静岡ディアボロコンテストで開催される各部門のルールはテーマがかなり分かりやすく作成されています。テクニカル部門は技術系項目の配点が100%、パフォーマンス部門は演技系項目が70%を占めているので、それぞれで高得点を狙う場合で演技の作り方はかなり変わってきます。

また静ディアで過去に披露したグレープフルーツや生クリームについては、それら単体で見るとただのヤバいやつに見えそうですが、一旦各披露した部門のルールを熟読していただいた上で改めてみていただければ、きっと『なんてルールに合致した演技なんだ』と思っていただけると思います。


デザインすると言ってはいるが…

○○からデザインする等となんやかんや言っておりますが、大多数の人は無意識で実践されていると思います。また自分の表現したいことを貫く人もいると思います。この内容を他の方々に強要するつもりはありませんし、なにより今後自分の考え方が変わる可能性もあるのでジャグリングのデザインという考え方をしていて勝手に言い始めた奴がいるんだなあ~程度に思っておいていただければと思います。

さいごに

書いていて纏めるのが難しく感じてきたため、内容が支離滅裂だったり日本語として変だったりする箇所があるかと思いますが、ここまで見てくださってありがとうございます。
あくまで最近の私の考え方なので、もし演技つくりで困った時に使えそうな考え方があったら参考にしていただければと思いますし、考え方が合わなければ「へぇ~」って思っていただければ幸いです。

じゃぐたく
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