ブラウンケーキ
世界に一つだけのケーキを緋翠姉貴にプレゼントしようと決心した牧野有は、その日から桜餅・マドレーヌ・ストライプクッキー・ブラウニー・ドーナツ・ミニアップルパイ・カフェオレパンプティング・蒸しガトーショコラ・豆腐チーズケーキの暴食を繰り返し、排泄を我慢し続けた。
そして緋翠姉貴の誕生日の3ヶ月前である8/9。
『試食』のためにバスルームに敷かれたマットの上に島谷が仰向けになると、牧野は島谷の顔の上を跨いでゆっくりと蹲踞の体勢を取った。
「…さぁやれ牧野」
焼菓一心を抜けて大口を開けた島谷がそう合図をすると牧野はムニャムニャと緋翠姉貴の好きな神ハスターの呪文を唱えながら大きな声で踏ん張り始めた。
「いあ いあ はすたあ はすたあ くふあやく ぶるぐとむ…ムンッ!フンッ!」
「ぶぐとらぐるん ぶるぐとむ あい あい はすたあ…ンヘッ!ンホッ!」
ハスターの呪文に呼応するかのように牧野の腸内に溜まりに溜まった大量のブラウンケーキが出口を求め荒々しく進軍を始めた。そして…
「んっ!島谷出ちゃう!出ちゃう!!」
ブリブリブリブリーー!!!!
無敵の人擬き曰く、お菓子の試作は成功との事だ。