ミルクスープ 投稿者:スカーレット・ジェイド

来週クリスマスとかマ????
12月に入り、街はすっかり冬の装いを始めた。
街ゆく人々はコートやマフラーを着用しながら寒そうに肩をすくめて足早に歩く。
彼らは信号待ちの間、息を吐いて白くなるのを見ては、もう冬だと実感する。
クリスマスの装飾があちらこちらで始まり、正月用の鏡餅も売られ始める。
駅や街角では年賀状を売る光景が見られ、人々は今年の終わりと新たな年の始まりとをそこかしこに見出すのである。
さて、この季節、特に寒さを感じるのは朝である。そんな朝、目覚めの一杯に私が愛飲するのはホットスープなのだが、私の飲むスープは普通のそれとはだいぶ違う。
アリを用いたスープを御存じだろうか。アリの多くは食用可能であり、特にハキリアリ、ミツツボアリ、レモンアリなどが人気である。中国の一部地域では、寒い冬にアリ入りのホットスープを食べて体を温めている。
ただしアリは体内にあるギ酸により、酸味がある。一方でアリの卵にはその酸味がなく、甘みがあって脂肪分豊富なため、メキシコやタイなどではこちらの方が好まれている。サラダにして提供される事が多い。

メキシコではアリの卵料理がエスカモレと呼ばれており、タコスの具にも用いられる。五百年以上前のアステカ(朝月ではない)時代から食されてきた。その卵は主に、テキーラの原料となるリュウゼツランの根っこの巣から採集されている。スパイスを加えて油で炒め、タコスやオムレツに混ぜて食べる。その卵の食感はコテージチーズのようで、味はバターとナッツに似ているという。
タイでは、赤アリの卵がよく料理に使われており、カレー、オムレツの材料になっている。赤アリの卵には酢酸が含まれているため、レモン汁や酢の代わりになる。また卵をすりつぶしてその匂いを吸入すると、めまいや失神を緩和することができ、茹でた卵を塩とともに飲み込めば、便秘が改善すると言われている。
私はこれにヒントを得てスープを作ることにした。

冬場にアリがどこで捕まえられるのか私には見当がつかぬので、アリはアリでも例のアレ界隈のアリを捕まえることにした。

古くからの私のストーカーであり、ある意味ではライバルである牧野有を空部屋に連れ込み、スープ専用サーバーとした。仕組みはこうである。
彼は全裸で、和式便器に跨る要領で鍋の上に座っている。古明地こいしの衣装を剥ぎ取られ、顔をほんのりと赤く染め、一丁前に恥じらいを見せている。
そんな彼の口に大量のアリの成虫と幼虫と卵――そう、彼を捕まえてから想い付いたのだがネット通販で入手すればよかったのだ――と水とを流し込む。咽ながらも彼はそれを懸命に飲み込む。
私はミルクスープが好きなので、これにミルクを加える必要がある。はじめのうちは雪印の牛乳を飲ませていたのだが、どうやら私の母乳を与えればコクが出るらしいとわかり、以来そうしている。
私の乳首に吸い付いて、素人童貞ワナビがちゅぱちゅぱと乳飲み子のように母乳を貪り飲む。
左の乳房が空になれば右の乳房を求め、それすら空になると私の女陰に吸い付き愛液を飲み込む。
さて、全裸で彼を置いていると言ったがそれには理由がある。
この寒い季節、全裸でオリジナル小説を執筆させておくと寒さで震えるのだが、この振動が食材の撹拌に役立つのだ。
小刻みに震える彼の胃や腸を食材が通過し、よく混ざる。
かつ、全裸であると体が冷え、下痢になりやすくなるのだが、まさにこれが好都合なのである。
彼の体を未消化のまま通過し、文字通り人肌に温められたスープが轟音と共に彼から鍋へ放出される。鍋からマグカップに移し、ゆっくりと味わう。スープの風味、母乳の香り、たまに混ざるアリの残骸。これらが温かいスープをより一層美味しく引き立てる。
年の瀬迫る師走である。忙しいこの時期もゆっくりとほっと一息つく必要があろう。
温かいスープを一杯いかがだろうか。体の底から温まること請け合いである。