行列のできる料理店

ここは東京で話題の料理店『スカーレット・キングフィッシャー』。
欧風カリーやハンバーグなど人気メニューは数あれども、この店の一番人気はミートソース・スパゲッティ。肉と野菜のソースが織りなす重厚なハーモニーが小麦香る麺と絡み合う至高の逸品である。
我々取材班はその美味しさの秘密に迫った。
厨房には全裸のみおん_Orzがいた。その肛門にエイナスストッパーで栓をしているためであろうか、その腹部はあたかも妊娠したように大きく膨れて……
いいや違う！　腹部を慈しむようにさすっているみおん_Orzの顔は母性に満ち溢れている。彼は本当に妊娠しているのだ。
新たな人物が現れる。その身にまとうコックコートとコック帽は純白。細身ではあるが鍛え上げられた肉体。拳に形作られた特有のタコ。そして全身から漂うワイルドな色気。
間違いない。彼女は緋翠氏の親友でミートソース担当の、グレン氏だ。
グレン氏はまっすぐみおん_Orzに近づくと、突然彼の腹を殴打した。たまらずみおん_Orzは体を丸めてうずくまるが、グレン氏はそれを許さず左手一本で彼の髪を掴んで吊り上げる。何という膂力。二児の母による乳児愛好症者への容赦ない鉄拳が始まる。
グレン氏は右拳で執拗に腹パンを繰り返した。2発。3発。4発。……10発から後は数えるのも忘れた。我々はただ流星のような拳の軌跡を目で追うだけであった。みおん_Orzの泣き声に混じって、胎児の断末魔が聞こえたような気がした。
やがてみおん_Orzが白目を剥いて痙攣しだすと、グレン氏は彼を調理場の鍋の上で固定する。鍋の上に跨るような不思議な体勢だ。すかさず肛門のエイナスストッパーが引き抜かれ、みおん_Orzは激痛と苦痛の中で絶頂した。

「み゛お゛オヲ゛おお゛ォぉォおおヲ゛おオんンん゛んンンン゛ンンん！！！！！！！！！！！」
（ﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘﾌﾞﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭﾘｭ！！！！！！ﾌﾞﾂﾁﾁﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾁﾁﾁﾁﾌﾞﾘﾘｲﾘﾌﾞﾌﾞﾌﾞﾌﾞｩｩｩｩｯｯｯ！！！！！！！）
彼の拡張された肛門から噴出したのは、ズタズタのミンチになった胎児と幼虫、そして便であった。しかもただの便ではない。中に見えるのは人参や玉ねぎ、セロリにトマト！　腸内で発酵した野菜の芳醇な香りが、我々の鼻をくすぐった。
肉は粗挽きミンチ（ひき肉です）で、食べごたえの有りそうな大きさだ。指などコリコリして歯ごたえが良さそうである。バラバラに折れた骨は今にも崩れそうなほど脆い。幼虫の残骸は蛋白質豊富だろう。このまま煮込むことによって、ソースにさらなるコクが加わるのだろう。
「少し味見をしてみますか？　おや、ソースの中にペニスがあります。どうやら男の子ですねえ」
みおん_Orzの腸内から出たばかりのソースは、意外にも苦味やすえた臭いが漂う不思議な味わいであった。このソースに最適な赤ワインを入れ、しばらく煮込めばミートソースの完成だ。
「体に与える栄養によっても、ソースの味は変わります。さあ、今度はどんな虫を孕むのかな？」
グレン氏は、地下牢に監禁中の牧野有から採取した種汁をみおん_Orzの雄膣に注入しながら、楽しそうにそう言った。

次の部屋には、大量の小麦粉を貪る自己矛盾と、その後ろで鞭を手に持つ女性がいた。
その身にまとうコックコートとコック帽は純白。そして全身から漂う妖しげな色気。
間違いない。彼女は緋翠氏の親友でパスタ担当の、梓月氏だ。
小麦粉を食べる元レジ打ちとそれに鞭打つ梓月氏。やがて絶叫と共に肛門からひり出される生地。それは我々にとって、もはや見慣れた光景であった。
「緋翠にとって迷惑極まりない輩を懲罰する目的で開いた店ですが、意外に役立つところもあるんです」
手早く梓月氏は生地をパスタメーカーに通し、あっという間に生パスタが完成した。
梓月氏は沸騰した湯の中に生パスタを投入すると、数分待ってから麺を上げ、オリーブオイルで素早く和えた。麺の中央に一本芯が通った見事なアルデンテだ。

「罪人共には、具材を変えるだけで他の料理も製造させることができるんです」
グレン氏と梓月氏はそう語ってくれた。
なるほど。たとえばニンニクやキャベツを喰わせれば餃子になるし、玉ねぎとパン粉などを喰わせればハンバーグになる。新鮮な油揚げやネギがあれば●亀製麺に対抗できる水準のうどんを提供できる。
ニコニコが停止して暇を持て余している投稿者共を捕獲し、有効活用して常に新しい料理を追求するこの姿勢こそ、空前のブームの原動力なのだろう。
常に行列の絶えない人気店ゆえ、気軽に食べに行く、というのは難しいかもしれない。
ミートソース・スパゲッティは数量限定で、すぐに売り切れてしまう人気商品だ。
しかし一口噛みしめれば、並んでいた時間なんてきっと忘れてしまうほどの、至福のひとときを味わえる。店内の音楽は軟禁中の輪夢やremmuhにより作られているので耳も幸福になる。
『スカーレット・キングフィッシャー』はまさに『名店』と呼ぶにふさわしい料理店であった。