砂上の楼閣

 砂上の楼閣”(さじょうのろうかく)という言葉が在る。
砂の上に作られたお城は、どんなに立派に丈夫に造ってもいずれ倒壊するという意味だ。 じゃあ、基礎になる所を絶対動かないようにすればいいかというと、これは以前にも書いたが、“琴柱に膠す”ことになる。 お琴の弦の調節をする琴柱(ことじ)を膠(にかわ、接着剤)で固定してしまうと音の調子が変わった時、状況が変わっても臨機応変に変えることが出来なくなってしまう。
この諺は、戦争、公害、原発、沖縄問題、汚職の政府にずっと感じてきた。

 どんなに優れた人であろうと、その人が見えているものも考えることも一つだ。
毛沢東が田んぼに実った稲を啄む雀を見て「あれは害鳥だ駆除せよ!」と言った。
その年雀は大量に駆除され米の採れ高が上がった。
翌年、害虫が大量に発生し飢饉となった。害虫を食べる雀が居なくなったからだ。
「駆除せよ!」と独裁者が言った時、「雀は害虫を食べてくれるんですよ」と言う者は、そこにはいなかった。
 “善は善にして善ならず”例え善人であろうともその仲間だけで集い、他の世界の見聞を持とうとしない事は危険だ。
 いま、政府に意見提案をする者が居る。
しかし、それに政府が聞く耳を持たない時、日本は破滅への道を進むことになるのではないだろうか。
 「私は正しい」と言う人が争いを起こす。争いの根はここにある。
私なら、すべての事は、正しい正しくないとジャッジする前に、事実の把握から観察し、分析し、何をどうするか思考し決める。それから実行するべきだと思っている。
 これらには、何より透明と公共が基本となる。そして、そこで終わりではない。
そこでまた、起きたことを観察し、分析し、思考し、実行と続く。
大事なのは、ウソをつかない。誤魔化さない。嫌にならない。諦めない。何より行動する。
 発信も行動も、常にゴールではなく出発だ。

 研究者、科学者、数学者、芸術家、思想家その他諸々、彼らが本当の意味で頂点に登るのに絶対不可欠の要素があるという、
 それは、正直、ウソ誤魔化しをしないことだという。
つまり“真摯”であるということだが、その言葉を実践せずに乱用している今の政府が私は、デエッキレイだ!
 “ロクでもない”のロクとは、一説に陸と書いてロクと読み、平らで安定した状態のことだという。
 砂上でなく陸(ロク)の状態にするには、ウソ誤魔化しをしないということだ。
社会が陸の構造に目覚めなければ、何をやってもいずれ破綻の時が来る。
 内田樹氏は、民主主義について、ある一定数の大人が社会に育って居なければ危険だ。と述べている。
 大人になろうぜ。大人とは、自分の目で観て聴いて考えて意見交換が出来る。
 ここが大事、意見を交換、つまり対話の出来る人であるということだ。
なぁ、大人になろうぜ!

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