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しゃんと立って、遠くを見て

3月31日。
明日から、日本中でいわゆる新生活が始まる。
4月から新しい環境に臨む人は、これからの生き方から淡い恋への期待、はたまた最初の自己紹介まで、あらゆることに浮つき思い悩んでいることであろう。
さらには、春からも同じ学校・会社に通う人でさえ、なんとなく襟を正さざるを得ない。

そんな、日本中がそわそわする一日のはずなのだが、今年は少し事情が違いそうだ。
かろうじて、僕の身の回りでは、新生活への期待を感じられている気がする。

それでも、それにしても不安が大きい春である。

ある日突然やってきた脅威は、いつの間にか目の前にまで迫っている。
いつまで続くか分からない。自分たちではどうしようもない。それでも”いつも通り”に生活しなければならない。

新生活に対する、うずうずしてしまうような不安を、真っ黒なただの不安が、強力な力で塗りつぶしていく。

この春、僕らに必要なことはなんだろう。僕は2つ見つけた。それが、
しゃんと立つことと、遠くを見ること。


はじまりはじまり
いざスタートライン
ここからは補助輪なし

自転車を漕ぐとき、手元ばかり見ていたら転んでしまう。
視線は遠く、視野は広く。そうしないと、まっすぐに進んでいけない。
目の前の不安に目を覆ってしまうんじゃなくて、遠くを見る。
すぐそこには幸せはなくても、少し遠くには、自分が進む道を決めるときに抱いていた希望があるはず。
幸せなエンディングはきっと今向いている方向の先にある。

自らが信じた前方の方角へ
進めよ進むよ 目の前を

僕らが時代のうねりにいるというのは、あまりにも使い古された言い回しだ。
だけど今は、そのうねりとやらをリアルに感じざるを得ない。

ちょっとつつかれたら飲み込まれてしまいそうな、大きなものが僕らの頭上にうねっている。
何を信じていいのか分からない。お手上げとしか言いようがない。

だからこそ、信じるべきものを世界が与えてくれないからこそ、自分を強く持って、しなやかに生きる。
何を信じるべきかは、自分で決める。信じたら、それを貫く。
背筋を伸ばす。そうすれば、気分は軽くなり、遠くも見える。

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この曲が公開されたのは、2年前の3月1日。
はじめて聴いたときから、僕にとって春のテーマソングになった。

ウキウキするバイオリンのイントロ
ピアノの音はクリアに響き、春らしい明るさと切なさを両立させる。
ある場面では桜が舞うようなピンク、ある場面では澄み渡る真っ青な青、またある場面ではパリッとしたシャツを連想するような白……音だけで色彩が思い浮かび、一曲の中で様々な表情を見せてくれる。
そこに低めの甘い声が伸びやかに乗るのを聴いていると、無条件に浮ついた気分になってしまう。

鮮やかで穏やかな浮ついた春が、また来ることを願って。

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Tachibana
もっとエモいことを書くための養分にします。