【マイファーストウクレレ#3】どんなタイプのウクレレを購入するか 〜素材の違い
◉素材の違い=音色の違い
サイズの違いと共に見逃せないのが素材と構造です。
こちらは#2で記したようなサイズの違いによる弾き心地の問題というよりも、どんな音色で奏でたいか?というもう一歩進んだ好みの部分が大きくなるかと思います。ひょっとすると初心者の方にはそれほどこだわるべきポイントではないかもしれませんが、それでもとても重要なポイントであることは言うまでもありません。
素材に関しては大きく分けて
・ハワイアンコア材
・マホガニー材
・上記以外の木材系
・カーボンファイバーやポリカーボネイト、ABS樹脂などのプラスチック系
に集約できるかと思います。
以下それぞれの素材の違いについて記します。
◆ハワイアンコア
コア=CoreではなくKoaですね。ハワイ語で戦いとか戦士の意味です。
例えばアカシアコアという材もありますがハワイに生えていないとハワイアンコアとは呼ばれないそうです。
やはりウクレレ特有のホロホロとした中にも若干キラキラとした成分が乗っている音色はこの材の特徴ではないでしょうか。指の柔らかい部分で爪弾いた時のモアンとした基調の部分にファサファサとした高帯域の耳をくすぐるような音は最大の魅力です。
(独断と偏見による私見ですが、指で弾くのがウクレレです笑!以前観た動画でウクレレをピックでガンガンに弾いた後に「やっぱりウクレレはコア材の柔らかい音が魅力ですよねぇ〜」と感想を述べてる方がいらっしゃって、ズッコケそうになりました。。^^;)
近年はハワイアンコア材の枯渇の問題が起きていて(木を植えても最低20年くらいはウクレレを作る大きさに育たないので)、価格が高騰しています。また目の覚めるような虎目の入った材はとても少なくなっていますね。
材は木目の細かさによってグレードが決められていて、ざっくりといえばより細く目が入っている5Aグレードのモノが最高級とされて最近では新品ではほとんど見かけなくなりました。ここまでの材になると例えば1Aの材木のウクレレと比べてみると違いは顕著です。それは初心者さんでも確認出来るくらいの違いです。では逆に、例えば2Aと4Aで物凄く違うか、と言われればなんとも微妙なところで、音に関して言えば私はブラインドテストで正答を得る自信はありません、、^^; ですがやはり見た目はだいぶ変わってきます。そしてこれも私見ですが楽器は見た目も重要です!愛着が全然違ってきますので大いに見た目にこだわって頑張って4Aや5Aグレードのコア材のウクレレを入手なさるのも大いにありかと思います。
◆マホガニー材
こちらはハワイアンというよりもアメリカンなウクレレとも言うべきMartin社(アコースティックギターで大変有名ですね)のモデルが代表的で、よく使われています。焦げ茶色の色が特徴で、音色はハワイアンコア同様ホロホロとしていますが、少し上の帯域のキンキンとした音が引っ込んでいる感じですね。撫でるようにあるいは転がすように弾くハワイアンのウクレレの弾き方と違って、どちらかというとひっかけて引っ張ったりハジいたりするような弾き方には逆に少しくぐもった印象のこの音色がピッタリ来るかと思います。
どちらというとマホガニーウクレレはソプラノ系が多くテナーはちょっと本流から外れている印象ですね(もちろんマホガニーのテナーウクレレもたくさんありますが!)。やはり弾き方による違いなどもあるのでしょうか?
◆ハワイアンコア・マホガニー以外の木材
代表的な木材をいくつかあげてみますと
・スプルース(松)
クラシックギターでよく使用されますね。スパーン!とまっすぐ音が出てくる印象です。ウクレレ特有のロー・ミッドの音域は少し少ない代わりに反応の良さを活かしてテクニカルなプレーにはうってつけな材と言えます。トップ板だけスプルースでサイドとバックは他の材という組み合わせもよく見かけます。ベアクロー(クマが引っ掻いた痕)と呼ばれる材は珍重されていするところも面白いですね。
・アカシアコア
上記のハワイアンコアの入手難・高騰により廉価帯のモデルを中心によく使われている材ですね。印象としては色々な意味で「薄味」といった印象でしょうか。あまり個性はないですが感覚的な表現で恐縮ですが「甘い」音色とも言えますね。家具や壁などの材木としても使われてる事も多い事から丈夫さにも一定の評価があるようでやはり廉価なモデル向きといえるかと思います。
・メープル
エレキギターなどによく使用されているイメージですね。硬質で非常に綺麗な見た目と比例するように音質もクリアで硬い印象です。ハワイアンコアやマホガニーは木の色自体が濃い目なので着色はあまりされませんが、こちらのメープルまた下記のマンゴーなどは目の覚めるようなクリアカラーリングが特徴的ですね。
・マンゴー
柔らかい材で音も柔らかく甘い印象です。甘い音色ですが決して鈍っている音ではなく元気よく音が飛び出していくような印象もあります。不規則かつ曲線的で、抽象画のようなな木目が個性あふれるルックスを体現していますね。近年はいわゆるハイエンドのウクレレメーカーもこぞって作成に乗り出しています。
・その他の木材としてはシダー/エボニー/桜/ヒノキ/ジリコーテ/竹等々大変色々な木材が使用されています。楽器屋さんなどで見かけたら是非試奏させていただいて違いを体感してみてください。
◆樹脂製のウクレレ
外に持ち出す事も多く、海など水辺が似合うウクレレという楽器。そんな時にある程度の耐候性があって汚れなど気にせずパッと持ち出せる、という意味では樹脂という素材とウクレレはとてもマッチングが良いかとおもいます。OUTDOOR UKULELEやENYA、KALA等様々なメーカーが製造していますが、概して言えるのはボディとネックさらに指板・フレットまで一体成型のモノが多く、それが故に一体成型のモールド造りの段階でちゃんとしたものが出来ていないとピッチがおかしいウクレレなんても結構あります。また言うまでもなくペグやストラップピンなどはスチール製のものが多いので海水に浸してしまった時は真水でじゃぶじゃぶ洗いましょう。