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Twitterのタイムランでしか聞かないような状況に陥った華金の話。

男「一緒に住んだらさぁ、ケンカ増えそうやでな」
女「なんで?」
男「いや、なんとなく?」
女「なんとなくってどういうことよ(笑)」
男「ん~…たとえば夕飯とかさ。うちの母親、5.6品は絶対に準備する人やから。むかしから父親にも言われてるねん、うちの子はこれが当たり前やと思ってるから、将来、結婚するときに苦労するって。俺も最低5.6品はないとあかんと思ってるしさ」



レモンサワーを片手に焼肉をキメ込むという、お手本のような華金を過ごしていた夜。隣の席から聞こえてきたカップルの会話に肉を焼く手が止まった。………5、6品????お給料でも発生すんのかそれ????献立は??買い出しは??そもそも食費にそんだけ掛けれるほど稼ぎがあっての発言だろうな????Twitterでしか見たことのない光景に、頭の中でハテナが列をなしていく。

店内では懐かしの平成ヒットソングが流れていた。つい10分ほど前、「この歌なに?昭和の曲かな?」という会話が聞こえてきたので、おそらく20代前半カップルだろう。(平成初期生まれのアラサーは心の中でそっと泣いた…)すっかり黒く焦げた網の様子からして、随分長い間、飲んでいるようだった。

無神経な男の発言に言い返してやりたい気持ちを、濃いめの酒でぐっと流し込んだ。途端に、またしても信じられない言葉が聞こえてきた。

「えぇ!?どうしたんよ?なんで泣いてるん??」
慌てる男の子の声に思わず視線を隣の席にうつす。ごまかすような笑顔を作りながら、女の子は目いっぱいの涙を浮かべていた。

「やっぱ飲みすぎたな、今日は。きっと飲みすぎたんやって、そういうことにしとうこう!」

いやいやいやいや!!!!あんたやぞ、兄ちゃん!あんたが泣かしたんやぞ!!!!大声で叫んだ、もちろん心の中で。

なんだかんだでお会計を済ませた二人は仲良く(?)店を出て行った。

取り残されたわたしたち。開いた口が塞がらないとはこのことだろう。にわかに信じられない出来事に驚きながら友人の顔を見ると、これでもかというくらい目を丸くしていた。きっと、わたしも同じような表情をしていたと思う。


もし未来の夫にあんなことを言われたら。家にあるものを適当に焼くなり、煮るなりして、6個の小鉢に盛り付けて出してやろうな、という謎の案に落ち着いた。洗い物がめんどくさそうだ。(ワンプレートしか勝たん。)


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