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⑦読者に言われて、一番嬉しいこと

本を書くのは、面白い体験です。

私はこれまで、編著やゴーストライターとしての代筆も含めれば、4冊の本を出したことがありますが、『コスパ病』は初めて国家に対する問題提起を行った本だけに、気合いの入れ方が違います。

だから、『コスパ病』に対する感想は、どんな種類のものであれ嬉しく、勉強になります



一次産業、つまり農家さん、漁師さん、林業関係者、畜産関係者という、毎日、ごまかしがきかない厳しい自然や生き物と向き合いながら、私たちの食卓や住宅を作り、彩るために奮闘して下さっている方々からの感謝、賛同、応援は、生産現場から私を支え、励ましてくれる貴重な声です。

二次産業、つまり職人さん、中小・零細企業の経営者、地産品・国産品のメーカーの社員の方々、こだわり製品を作る専門知識を持つ自営業者、アクセサリーや雑貨を作る主婦の方々からの支持、支援、激励は、わが国のモノ作りの現場から私を導き、確信を深めさせてくれるありがたい追い風です。

三次産業、つまり地産品・国産品のプロデュース、企画、販売、宣伝、デザインに携わり、忙しくて消費者と向き合えない生産者や作り手に代わって、商品が持つ特徴や魅力を適切に説明、発信するお店の方々、コンサルタント、団体職員の方々からの理解、共感、共闘の呼び掛けは、販売の最前線から私に指針を提示してくれる不可欠な羅針盤です。



そんな方々から直接聞いた声、Amazonのレビューに投稿してくれた声、紹介者経由で届けられた声は、間違いなく、私の執筆動機に対する確信を深めさせてくれ、希望と情熱を与えてくれる原動力です。

そんな中で、「読者から言われて、一番嬉しかったことは?」という、学生の就職活動の面接のような質問を受けた時、私が真っ先に答えるのは、「小島さんは、勇気がありますね!」という感想です。

それは、私が昔から尊敬する人たちの生き方を形成する最も重要な要素だからです。



私の叔父は、長崎大学の医学部(即死率90%)の爆心地で被爆して奇跡的に生存し、医学生として小さな女の子や30人以上の被爆者を4日間必死に救助し、白血病で苦しみながら、卒業2週間前に世を去りました。

その他、国語国字問題で最初に問題を提起し、孤軍奮闘で国語を守り抜いた福田恆存、左翼イデオロギーが支配する戦後論壇で自由主義に立脚する保守思想を説いた竹山道雄、戦前に軍部が独裁色を強めた政府で一人、命を顧みずに反軍演説を行った斎藤隆夫、水俣病で患者の支援に人生を捧げた石牟礼道子

私は思想の種別や成し遂げたことの結果、大小によらず、こうした人たちの生き方を最も気高く、美しいと考えて生きてきたので、今、自分が生まれ合わせた時代に直面する、自分が全力でぶつかるべきだと考える問題に対しても、同じ生き方を示したいのです。


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