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「単位」に着目して、海外向け商品案を出そう

メートル、ヤード、フィート、ポンド、キロ、尺、畳、坪、円、ドル、元、摂氏、華氏、ミリ、ミクロン、メガ、ギガ、テラ・・・世界には様々な「単位」があります。

単位があるからこそ、物事は計量、計測が可能になり、程度や状態を測定して計算、比較、検証、改良を行えます。

海外取引認識の共有調整、そして情報の根拠付け特に重要なので、私は機能性の商品や環境技術、農業技術等の「数値が価値に直結する製品」を扱う時は、モノと使用環境に関わる様々な単位を確認して、イメージに形を与えるようにしています。

例えば、福岡県の年間降水量は1750mm、鹿児島県は2800mmですが、イランは220mm、エジプトは80mm、サウジアラビアに至っては50mmで、なんと福岡県の1/35です。

このように、「雨」というなじみのある現象と「砂漠」というなじみのない環境単位で換算、比較すると、水資源問題に対する危機感やニーズを実感しやすくなります。

私がよく注目する単位は温度で、温度を知ると環境問題の深刻さ、再生可能エネルギーの必要性、温度管理輸送サービスの市場、建物のメンテナンス製品の提案方法、漁業問題など、様々な分野の知識と情報を斬新な形で組み合わせて、問題と解決策の相性、採算性をざっくりとイメージでき、日本製品の可能性を探ることができます。

また、面白いのは通貨で、100円ショップを「90セントショップ」、「6元ショップ」と呼んでもいまいち切りが悪くインパクトがないように、その国で切りのよい価格や値ごろ感を訴求できる数字を、例えば「1袋=49リンギ(約1300円)」、「1カートン=990バーツ(約3300円)」と、現地通貨で計算してみるのも一つの手です。

体脂肪率、血中酸素濃度、二酸化炭素排出量、スマホ老眼率のように、新たな常識は新たな数字を連れてきます。

そして新たな数字は、新たな程度の概念を持ち込み、比較や計測を通じて新たな価値観を提供し、社会を変える一つのファクターになります。

情報やアイデアの変換、翻訳、加工が可能になるのも、単位あればこそです。

ビジネスとは「more with less」の裁定取引による自己最適化の反復活動にほかならないのですから、顧客目線で単位と数値に着目すると、現実に即した新たなアイデアを生みやすくなるのではないでしょうか。



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