確定拠出年金と家計資産とのバランス
家計全体での分散を考えては?
前回は、一般的な分散投資の方法について、述べました。
今回は、そのうえで、もう少し考慮に入れるべきことをお伝えしたいと思います。
確定拠出年金の運用方法を考える時に、多くの方はその制度の中で
どうするのがよいか?
を考えると思います。私がお客様の相談に対応していた時も、多くの方がそういったお考えでした。
ただ、私は、確定拠出年金だけではなく、家計状況とのバランスを見ながら判断することをお勧めしていました。
家計内の貯蓄状況をまとめてみる
例えば、会社で行う確定拠出年金が、月々1万円の積立だとします。この時に、毎月家計で貯蓄できている金額も見てみることをお勧めします。
もし、家計で毎月5万円貯蓄できていて、その額が銀行預金に回っているとすれば、あなたの月々の積立額は6万円ということになります。
6万円のうち、5万円は、安全資産
ローリスク・ローリターン
の資産に回っています。約83%があまり収益をうまない資産におかれているということとなります。
そうであれば、確定拠出年金の運用商品配分は、少し
ハイリスク・ハイリターン
で、将来の収益を期待する資産に多めに回すことも考えても良いし、そもそも
投資が怖い
と思っている方も、
83%は安全資産
と捉えれば、一歩を踏み出しやすいのではないかと思います。
ちなみにこの資産割合ですが、紙に〇を書いて、円グラフで表現してみると、より実感を得やすいです。
今の資産残高、またそれをいつ引き出すものかという視点
もうひとつ、目を向けておくと良いことが、
現在資産(貯蓄等)がいくらあるのか?
そして、その資産の
使い道が決まっているのか?
いつ使うのか?
ということです。
使い道が特に決まっていない資産が多くあるのであれば、確定拠出年金だけでなく、手元の積立も
ハイリスク・ハイリターン
比率を増やすこともひとつ考えられますし、一方
貯蓄がほとんどない・・・
という家計においては、突発的な病気や失業があった時に対応できませんから、
まずは緊急予備資金としての預貯金等
を作るべきです。もちろん老後は心配ですが、明日や来月が破綻してしまっては意味がありません。
手元の貯蓄は安全資産をひとまず積み上げて、老後のことは確定拠出年金だけにしておくという考え方もあります。
本当に安心するためにライフプランニングの実施を
ここまで簡単に資産運用に関する考え方を述べてまいりました。これだけで全てというわけではないですが、少なくとも
確定拠出年金を放置
することは、ご自身の将来のためにも回避していただきたいと思います。
本当は、上記で触れたこと以外にも
・ご自身の年齢
・職業と収入状況
・家族構成
・今後のライフイベント
等々、様々なことをふまえて
ライフプランニング
をして、俯瞰的に、
ご自身の人生における課題がどこにあるのか?
を確認し、具体的な対策を見出して、実行していく必要があるのです。
私のお客様でも、ライフプランニングを行い、100歳くらいまでの、家計のキャッシュフローや資産状況をシミュレーションすると、その行方に
え~~~~~!!!
と驚かれた方もたくさんいらっしゃいました。でも、あくまで将来のことはシミュレーションなのです。
明日、来月の行動を変えれば
そのシミュレーション結果は、簡単に変わります。本当にたくさんの人が、
ものすごく遠い先の『老後が心配・・・』
とおっしゃいます。確定拠出年金は、まさに老後の準備手段です。
是非これを機会に、ご自身そしてご家族の将来について、考えてみてはいかがでしょうか。
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