見出し画像

【16】がんのステージ~『がん保険』のトリセツ~

前回は『4つのがん療養』というタイトルで、がんになってしまった際に、私たちが選択できるものを種類ごとに整理してみました。そことも少し関わると思うのが、今回のテーマ『がんのステージ』です。

みなさまもがんのステージついては、耳にしたことがあると思いますが、どのステージでがんが見つかるかによって、実は治療の選択肢の広さが変わってきます。それがどのように影響するのか、一緒にみていきたいと思います。

大きく4つの分類

がんのステージは、ざっと1~4の4段階です。1、2の段階では、まだがんが単発で、転移がない状態。1と2では、その大きさ(進行度合い)で変わります。3、4では、転移がすでに確認されている段階、3では付近のリンパ節などへ、4ではすでに大腸から肝臓へなど、遠隔転移が起こってしまっている状態です。

ここでひとつお断りしておきます。今私が述べたステージの内容は、医療的には正確ではありません。本当はもっと細かい定義がありますし、またがんの種類ごとに分け方も違います。正確な分類については、自分や家族にがんの恐れが出た時(例えば、肺がん検診で要精密検査の結果が出たなど)から調べたら良いと思います。

ちなみに、ステージゼロのがん、一般的に上皮内がんなどと言われるものもあります。ご興味がある方は、国立がん研究センターの情報サイトなどをご覧になると良いかと思います。

ステージ4だから終わりではない

ここでステージに触れる目的ですが、

『がんのステージ4』イコール『痛みがひどくて寝たきり状態』

ではないということを確認しておくことです。私は過去に、来店型保険ショップ『ほけんの窓口』で、3,000回以上の保険相談会を担当してきましたが、そういった印象を持っておられる方がたくさんいらっしゃいました。

もちろんステージ4になると、遠隔転移もある状態で、5年後生存率も、ステージ1よりは下がります。ただし、今は前回触れた

緩和ケア

なども以前より充実していますから、進行したがんとうまく付き合って暮らしている方もたくさんいらっしゃいます。私の母も乳がんのステージ4になってから約5年間、最後の自宅での看取りの1か月前までは、日常生活をほぼ普通に過ごしていました。

しかし標準治療は終わる可能性

よくがんの治療に関する投稿や記事などで、

医者に見捨てられた・・・

というフレーズを目にします。今までずっと先生を信頼して治療を続けてきたのに、ある日突然・・・ひどい・・・といった内容ですが、これについても

日本の医療のルール

だと思うしかありません。お医者さんは、興味がなくなったから切り捨てているわけでなく、

診療ガイドラインに載っている治療は、すべてやり尽くした

と言っているのです。つまり、もう推奨できる治療がないということです。

ステージ4になると、すぐ寝たきりではないとさきほど申し上げました。ただ、がんの遠隔転移があると、基本的に手術と放射線治療は行えません。すると、抗がん剤という薬物による治療が主体となりますが、ずっと行っていると、がんにも耐性ができるのか、効き目がなくなってきます。効かなくなると別の薬に変えますが、時間がたてば同じことです。最後の薬を使い果たすと、

すべてやり尽くした

ということになります。

患者さんからすると、精神的にも信頼してきている部分がありますし、まだ体が元気なのにこのやりとりはつらいかもしれません。だからこそ、これが現実ということを事前に知っておかなければなりません。

ちなみに私も母のがんの時、先生からそのお告げを受けました。その時は、私だけ別室に呼び出され、先生とその治療チーム15名くらいと私という状態で話を聞きました。

そうなるとどうなるか・・・

診療ガイドラインと標準治療という『日本の医療のルール』を知らずに、上のような展開になるとどうなるか?今の時代だと

ネットを叩く

人が多いのではないでしょうか。前回も多少触れましたが、『がん ステージ4 治療』などで検索し、そこで、

末期がんがすべて消えた!!

などというキャッチコピーが出てきたらどうでしょう?今、自分も家族もがんでないあなたが、たまたま何かの興味でそれを見たとしても、

なんかうさんくさいな・・・

と思うと思います。もちろんそういう頭で見るべきですが、末期がんで、しかも

医者から見捨てられた・・・

と思っているがん患者さん若しくはその家族の方が見たらどうでしょう?なんとなく想像はつくと思います。

今回、『がんのステージ』というはなしを通じて、がんはステージが高くなると、標準治療の選択肢が少なくなっていくこと、そして最後は治療をやり尽くしてしまうことがあることを見てきました。

昔と違って、がんを早期で発見できるようになったことや、治療の選択肢が増えて、がん=死ではなくなったことが要因だと思います。ですから、がんになってしまっても長い付き合いになるので、必要な情報をあらかじめ手に入れておいていただきたいと思います。

次回は『がん治療までの流れ』というタイトルで、我々のがんがどのように見つかり、どのようにがんの告知を受けるのか?そしてその時にどのような準備が必要なのか?ということをみていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。

⇩⇩⇩ 私の会社(株式会社ライフヴィジョン)のHPです


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?