【36】『がん保険』のトリセツ、その心は・・・～『がん保険』のトリセツ～
前回は『そして最後に・・・』というタイトルで、納得して選択することの大切さについて、見てきました。今回は、この「『がん保険』のトリセツ」で真にお伝えしたいことについて、一緒にみていきたいと思います。
まさに今、がんへの備えを考え始めているあなたへ、お届けしたいおはなしです。
『がん保険』が治してくれるわけではない
がんへの安心のために加入する『がん保険』。だからこそ出てくる
がん保険に入っているから、がんは安心！！
という思い。でも、がん保険に入っていれば、がんが治るかというと、それはありません。あなたががんになってしまい、いい治療を受けて治したいと思ったら・・・。それは、病院の先生に力を借りるしかありません。その力を借りるために、お金が必要になります。もし、あなたに、治療費に回す貯蓄がなかったとしたら・・・。
『がん保険』の守備範囲はそこです。あなたがもし、がんに勝つんだ！という思いで、治療を受ける時に、その戦力になります。
相手のことを知らずに勝つことはできない
孫氏の兵法にある『敵を知り、己を知れば、百戦して危うからず』ではないですが、がんに勝つのであれば、まずがんを知ることは必須であると思います。がんという病気のこと、日本でがん治療を受ける際のルール、がん治療の選択肢など、知っているか知らないかで、その判断に大きな影響を与えるものがあります。
ですから、がんを知らなければならないのですが、『がん保険』がそれをしてくれることはありません。また、お医者さんに教えてもらうこともありますが、それはがんになってからのはなしです。
万が一がんになってしまった時のために・・・
ということで、がんを知るにはあなたが主体的に動かなければ、情報は決して得られません。
ですから、がん保険の検討時をいい機会として、そこでしっかり情報を得てください。ひとつの手段として、
がんに対する、正しい情報を持っていて
それに対して、どういったがんの保険がふさわしいか
を、わかりやすく伝えてくれる保険の担当者に出会っていただきたいと思います。
どんな高級車も燃料がなければ走らない
がんの種類や進行度合いなどによって、治療の選択肢が変わってきますが、健康保険が適用となる治療、ならない治療により、費用は大きく変わります。
現在は、治る確率だけでなく、生活の質を落とさないという観点で治療を選択する人も増えています。また、選択肢も増えています。
例えば、首より上の部位にできたがんの場合、手術でメスを入れるとなると、その後の生活に大きな不安を覚える場合があります。もちろん標準治療がそうなっているのですが、やはりその後の生活を考えると、切る選択はしたくない、そういった時に高度な技術の装置を使った放射線治療で治療ができるかもしれないとなったらどうでしょう。少なくとも検討したくはならないでしょうか？
ところがその治療は、健康保険の適用になっていないので、受けるとなると300万円必要であるとします。がん保険の働きどころは、この治療費に対してなのですが、がん保険の選択を誤ると、
健康保険が適用でないと支払われない
お金は出るけど、300万円に対して、20万円しか出ない
などといったことが起こります。どんなに性能の良い高級車でも、燃料がないと走りません。目の前に受けたい最先端の治療があるのに、お金がないから受けられない。そんな『がん保険』には決して入らないでいただきたいと思います。
ただし、生活費の備えまでには・・・
『がん保険』という名称の保険は、原則として
がんの治療費に対する保険
と、ご理解いただきたいと思います。もちろんまとまった一時金を受け取り、一時の生活の足しになるケースはあるかもしれません。ただし、再発・転移で、長期戦になってしまい、かつ仕事ができないようなケースにおいては、『がん保険』は、あまり役に立たないかもしれません。ですから、繰り返しになりますが、
がん保険に入っているから、がんは安心！！
と思い込んでしまうのは、危険なのです。最もお金がかかるのは、長期にわたって収入が得られないケースかもしれません。それを保険で考えるかどうか？そこは、その方の置かれた状況によります。ただし、保険を使うとしても、『がん保険』は適切でない可能性が高いと私は思っています。
がん保険を検討しているあなたへお伝えしたいこと。是非、あらゆるケースを想定したうえで、納得して選択していただきたいと思います。
次回は『すぐにチェックしてください！！』というタイトルで、今あなたが加入している『がん保険』のチェックをする際のポイントや、注意点について、触れていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？