【6】『がん保険』の前にがんを知る~『がん保険』のトリセツ~
前回、前々回で、がんの『いい治療』とは?がんはそんなにお金がかかるのか?ということをみてきました。今回は、お金(がん保険)の前に必要なものということに触れてまいります。
まずがんを知る
考えてみれば当然のことですが、『がん保険』を適切に選ぶためには、がんになってしまった際に、どの程度の出費が出る恐れがあり、それに対して自分で準備済みの備え(使い道自由の貯蓄)がどの程度あるのか?ということを検証する必要があります。
ですから、いきなり『がん保険』のパンフレットを並べて、
どれが一番オトクか?
を考えても、本当の安心は得られません。まずは、がんになってしまった際、どのような治療を受ける可能性(選択肢)があるのか?といった、
日本のがん治療の実態やルール
を知る必要があると思います。
本当に手術がベストなのか・・・?
がんの診断を受けてしまった時に、お医者さんからはすぐに治療の提案をされ、その場で判断を求められます。
私も母のがんの告知の場に同席しましたが、こんな感じでした。白衣を着た外科部長の先生から、
『○○さん、残念ながら乳がんが見つかりました。でも今の状態ならば手術が可能です。(中略)2週間後の水曜日であれば私が直接執刀できますがどうしますか?』
と。当時私もまだがんの勉強をしっかりできておらず、頭も真っ白になりかけながら、母とアイコンタクトをとりこう答えました。
『お願いします。』
と。多くの患者さんは同じように先生に言われるまま、治療の流れにのっていきます。たしかに医療のプロの先生(しかも外科部長さん)が言うことなので間違いはないだろう・・・と思いつつ、人によってはこう思う人もいると思います。
本当に手術がベストなのだろうか・・・?
と。
自分で調べようにも・・・
今の先生の言われるままに『お願いします』と言った患者さんの中にも、そのあと
他にいい治療はないのか?
とネットなどで調べる人もいるかと思います。ただ、実際検索をしてみると、ものすごい情報量で、かつ
あのサイトでは手術を推奨していて、このサイトでは手術はやめろ
と、どの情報を信頼すべきかわからず、けっきょくなにもできずに、当初の予定どおりに流れていくことが多いのかもしれません。
元気なうちに、大きな体系だけは知っておいた方がいい
まったく何の知識もない中で、突然がんの告知を受けても、慌てることなく落ち着いて時間をかけて、適切な判断をしていくということは、よほど胆がすわった方でないと難しいかもしれません。
ですから元気なうちにがんについて勉強して、がんのことを知って、基本的な流れとか治療の選択肢などを知っておければベストです。ちなみに現在学校では、児童・生徒への『がん教育』がスタートしています。ですが、すでに社会人になっている人にはそういった機会がないのが現実です。
突然のがんに対しての備えとして、多くの人が『がん保険』に加入するのですが、社会人の人にとっては、その検討の機会が絶好のチャンスだと思います。おそらく『がん保険』に加入を考える人は、
安くて、保障がいいがん保険
を選びたいと思っています。だとしたら良い『がん保険』を選ぶために商品選びの前に、
がんを学ぶ
といった意識を少し持っていただくといいかもしれません。そして、『がん保険』について相談する際には、がんについて正しい知識を持った保険の担当者と接することが大切だと思います。
次回以降、しばらく日本におけるがんの治療の実態や日本の医療のルールなどについて一緒に考えていきたいと思います。まず次回は、がんの3大(標準)治療に触れていきます。今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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