【33】情報が第一でしたが・・・~『がん保険』のトリセツ~
前回は『3拍子揃った、がんの保障②』というタイトルで、がん保険以外の保険による、がんへの備えの具体的な内容について、触れてみました。今回は、『第2章 がん保険とお金のはなし』のまとめについて、一緒にみていきたいと思います。
まさに今、がん保険のプランについて悩んでいるあなたへ、お届けしたいおはなしです。
4つのタイプのがん保険
まず第2章のはじめに、がん保険はタイプ分けすると、4つに分類できることをお伝えいたしました。
① がん入院費用保険
② がん標準治療費用保険
③ がん治療費用保険
④ がん保障保険
大きく4つに分かれますが、上の2つは一昔前のもので、場合によって今がんになってしまった時に、
今回は支払対象外です
という辛い思いをする可能性が、他のものより高いです。ですから、かなり前にがん保険に加入した人は、自分の保障内容を見ておくことが大切です。
③に加入していると、現在のがん治療にはおおむね対応してくれそうです。ただし、時間が経過した後は、①②と同じようなはなしになる可能性があることを知っておいてください。
あと、①②③は、がんの治療などを受けたことに対して、がん保険からの支払いを受けられます。ですから、出るか出ないかは、治療などが終わった後にならないとわかりません。ですから、支払われるとしても、病院での立替払いは、高い確率で必要です。また、支払いまでの時間が長いことに、ストレスを感じるかもしれません。
その点、④は、がんになったことに対して払ってくれるがん保険です。多くのものが、
がんの診断=がん保険からの支払確定
ですので、早く受け取れる、そして、使い道が自由という良さがありました。ただし、ものによっては、診断だけでなく、入院などの条件もあわせてついているものもあるので、注意が必要です。
がんでお金がかかるのは治療費???
がんの経験がない(家族にもいない)方の中には、がんの治療費で何百万円もお金がかかるのでは?と、思っている方もいらっしゃいます。健康保険が適用の標準治療を受けている限りは、
1回で数百万円
などということはありません。再発・転移で、長期戦となった場合には、累計で、200~300万円になることは、あり得ます。また、自由診療や補完代替療法を選択する場合には、健康保険がききませんから、1回で数百万単位となることもあります。
万が一、長期戦になってしまった場合ですが、治療費もそうですが、働くことができずに
収入をうしなってしまうリスク
が、盲点となっていることがあります。また、がんで一度離職してしまうと、再度職に就くことが難しいことも、日本社会の課題です。特に家族が多いとか、貯蓄があまりできていないといったことがあると、治療費以上に経済的な痛手が大きい可能性があります。
がん保険とそれ以外の選択肢
一般的ながん保険では、
がんで、入院したら1日1万円出る
がんで、手術受けたら20万円出る
がんで、抗がん剤受けたら10万円出る
といった、様々な種類の保障がいろいろ組み合わさって作られていることが多いです(中にはシンプルなものもあります)。注意点としては、
あれも出る、これも出る、全部出る
という錯覚にならないことです。そして、その組み合わせをたくさんつけておけば、がんになってしまった時に、どれかは支払い対象になるかもしれませんが、対象外のものもたくさんある。だけど、出ないものにも毎月お金を払っている(保険料)という、不合理さを感じるかもしれません。また、組み合わせ数が多ければ多いほど、あなたの毎月の負担(保険料)は、高くなります。
であれば、選択肢として、がん保険にこだわらず、
がん診断で、1,000万円単位の、まとまった一時金を受け取れる
特定(3大)疾病保障保険をうまく使いこなす手もあることをご紹介しました。
がんで働けなくなった場合の家計の支え
がんのあらゆる治療費
使い道自由の大きな一時金を、最初の時点で全て受け取ってしまう、そんな考え方の保険でした。
やはりお金も大事
メリット・デメリットそれぞれなので、どれをどう使いこなすかは、最終的には、あなた次第です。あなたの考え方や方針に沿うものを、是非選んでいただきたいと思います。もちろん保険は使わずに備えるという手もあります。
ただし、働きだしてまだそれほど時間が経過していない世代の方は、潤沢な貯蓄ができていないことも多い方と思います。そんな方は、がんの保険を使うことが効果的である場合もあります。その場合には、
貯蓄を作る一定期間だけ、家計負担にならない程度
利用されたらいいと思います。
がんは、長期戦になればなるほど、経済的な負担が大きくなる病気です。日本では、お金のはなしをするのは卑しいといった風潮がありますが、お金の心配があると、不安が大きくなるのも、また現実です。特に『がん=死』というイメージが残る日本では、なおさらお金がないことでの不安は大きくなります。ですから、お金のことを考えたり、相談することは大切です。そのために、まずがんを知ることが大切であることを、第1章でお伝えいたしました。
是非、あなたのがん保険が、いざという時にどの程度助けてくれるのか?特に、細かい心配が要らない、
診断ベースでの金額がどのくらいか?
是非、確認してみてください。
今回で、第2章が終わりました。次回以降は、『さいごに』ということで、総まとめに入ります。次回は『結局お医者さんはこう言ってます』というタイトルで、がんという病気との向き合い方といったことについて、触れていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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