【32】3拍子揃った、がんの保障②~『がん保険』のトリセツ~
前回は『3拍子揃った、がんの保障①』というタイトルで、がん保険以外の保険によるがんへの備えの概要について、触れてみました。今回は、その具体的な保険種類、3拍子のもう少し詳しい意味合いについて、一緒にみていきたいと思います。
まさに今、がん保険の提案を受けたもの、モヤモヤ感のあるあなたへ、お届けしたいおはなしです。
『特定(3大)疾病保障保険』という選択肢
タイトルにあるとおり、こういった名称の保険があります。ちなみに、最近出てきた新しい種類の保険ではなく、ずっと昔から存在している保険です。多くの保険会社で取り扱っていますが、中には、販売制限、停止をしている会社もあります。その理由については、ここでは触れないことにします。
この保険、どういった保険かというと、
『がん、急性心筋梗塞、脳卒中の、特定(3大)疾病で所定の状態になる』か、『死亡』
した場合に、まとまった一時金が払われる(払われたら保険が終了する)タイプの保険です。ちなみに、『所定の状態になる』とありますが、がんについては、ほとんどの会社が『がんの診断』で、支払い対象となります。
がんだけの保険ではないですが、急性心筋梗塞、脳卒中、死亡保障のおまけがついている保険と思っていただければいいと思います。
なぜ、この保険を出してきたかというと、一般的ながん保険では、診断での一時金を高額で設定することができないからです。200万円までといった商品が多いですし、今は1,000万円の設定ができるところはないと思います。その点、この特定(3大)疾病保障保険は、上限が非常に高いものがいくつもあります。
3拍子の意味
前回お伝えした『早い!うまい!!安い!!!』の3拍子ですが、もう少し補足をしておきたいと思います。
① 早い
がんの診断だけで、受取が確定するので、いろいろあるがん保険の中でも、最も早く受け取れるところが良い点でした。保険において、早さと同時に私が大切だと思うことは、
揉めない
という点です。まれに、加入して、すぐに事故が起こってしまうケースもありますが、一般的には保険に加入したもの、ずっと何事もなく、だいぶ時が経過した後に事故が起こり、保険を確認するということが多いと思います。たいてい記憶が薄れていて、『がん保険=がんになったらもらえる保険』とすり替わっていて、場合によってトラブルになることもあると思います。
なので、この診断が全てというシンプルさは、非常に大切だと思っています。
② うまい
保険は、宝くじと仕組みが似ています。参加者が掛け金を拠出して、大きなお金の塊を作り、抽選をして当たった人にお金を渡す。ただし、当選確率は低いです。宝くじは、3億当たる可能性もあれば、300円のケースもあります。たいていは『3,000円も買ったのに、300円か・・・』となるわけですが、もともと遊びのような感覚でやるので、それでも良いと思います。
ただし、保険の場合、宝くじで言う当選の時は、『痛い時や辛い時』です。そういう時のためにかけた保険で、受取金額をみてがっかりするような、そんな保険であれば入らない方が良いと私は思います。
そういう保険は選ばない、『入っていてよかったぁ~~~』と思える保険を『うまく』選ぶことが大切だと思います。
③ 安い
少し想像してみてください。例えば、
子供の塾代がたくさんかかり始めた・・・
不況で給料がさがってしまった・・・
などで、家計を切り詰めなければならないとき、まっさきにその対象として思い浮かぶもの・・・それは毎月の『保険料』です。多くの方が、家計見直しで、バシバシ保険を解約します。裏を返せば、見直し効果があるほど、たくさん払っていることでもあります。
解約していい保険であれば、始めから入っていなくてもいい保険ということになります。もちろん始めからやめるつもりではなかったと思います。でもこうなってしまうと、家計も厳しくて、アクシデントへの備え(保険)もない、不安定な状態になってしまいます。ちなみに、最初に保険に加入した時よりも、年をとっていて、病気(がん)のリスクは上がっています。
ということで、牛丼の『早い!うまい!!安い!!!』の3拍子を、がんの保障バージョンにすると、
早い :揉めない支払い要件で、前払い
うまい:使い道自由の、大きな一時金を
安い :家計負担にならない、毎月お手頃価格で
といった感じだと思うのですが、いかがでしょうか。
定期タイプを使いこなす
『【30】がん保険の注意点』で一度触れましたが、あらためて。自分が加入した保険が、いつまで有効か?を『保険期間』といい、一定の条件のもと、あなたが選ぶこと(設定すること)ができます。さきほどの、『うまいと安い』に関わるのですが、
この期間が長ければ長いほど、月々の家計負担(保険料)は高く
なります。一生涯(終身)保障が、最もコストが高くなります。私は、10年などのある程度長いけれども、見通せる期間での設定をお勧めしてきました。うまく保険を選択(設定)し、それにより、月々の負担を安くして、なるべく貯蓄にお金をまわすやり方です。
ちなみに、30歳男性が、
『がんの診断で1,000万円』の保障を、10年間
で組むと、3,000円台で加入できる保険会社があります。
保険をかけている間に、真の備えをする
保険がかかって、ディフェンスがある間を、いろいろな準備をする期間と捉えます。ひとまずお金の面だけで言えば、
自由に使えるお金を作る(貯蓄)
そのお金をうまくまわしていくノウハウを学ぶ(運用)
あらたな収入減を作る(収入増)
といったあたりでしょうか。保険が切れる10年、15年後までに、目標を定め、その満了が来た時に、保険がなくても様々なアクシデントに対応できる
真の備え
を作ることが大切です。前にも述べましたが、保険をタイマーとして利用するということです。
もちろん10年、15年では、完璧な備えは難しいかもしれません。その場合は、その時にもう少し保険を延長(更新)するかどうか?検討すればよいと思います。がん保険は、がんだけ、生命保険全部加入しても、世の中のすべてのアクシデントから守ってくれるわけではないということを、押さえておいていただきたいと思います。
次回は『情報が第一でしたが・・・』というタイトルで、後半で触れてきたがん保険とお金について、総括していきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。
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