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【35】そして最後に・・・~『がん保険』のトリセツ~
前回は『結局お医者さんはこう言ってます』というタイトルで、がんに対する向き合い方について、見てきました。今回は、最後に・・・ということで、この「『がん保険』のトリセツ」の胆である、がんに関する情報とお金について、一緒にみていきたいと思います。
まさに今、がんに対する不安を感じているあなたへ、お届けしたいおはなしです。
一番大切なこと
ここまでがんの治療の種類やかかるお金について、いろいろと見てきました。
どういった選択をして、どのくらいのお金をかけるか?
ということは、もちろん人それぞれですし、その時のがん治療最前線がどうなっているかにもよりますので、私自身も今の時点でこうするということを決めることはできません。
最近は、がん患者さんがご自身の思いや悩みを発信してくださり、それを目にすることができるようになっていますが、それに触れるたびに、事前にどこまでのことができるか?ということを考えさせられます。また、今は『がん=死』という時代ではないとはいえ、本当に自分がなってしまったら、メンタル的にどうなるか?という不安は消えません。
ただし、ひとつ大きな柱(前提条件)として、押さえておきたいことは、
納得して、選択する
ことだと思っています。
えっ、こんな治療があったの・・・?
主治医の先生から勧められた
手術
を受け終わった後に、別の病院では、切らなくてもできる治療方法があることを知ったら・・・。また、同じ手術でも、別の病院では、極力切る範囲を小さくして、手術につきものの、身体の負担を小さくする手術方法が存在することを知ったら・・・。
主治医の先生は、診療ガイドラインという根拠にのっとった、標準治療をしてくれています。正しいとされている治療を行ってくれています。でももしあなたが、診療ガイドラインや標準治療の存在やその意味を知らなかったら・・・。
やはり、主治医の先生の勧めに従うにしても、決断する前にいったん立ち止まって、自分で
『先生に任せよう!』
ということを、納得して選択していたとすれば、感じ方が違うかもしれません。
目の前に受けたい治療があるのに・・・
標準治療をやり尽くし、主治医の先生からは
もう治療の手段がありません
と宣告されてしまった。でもまだあきらめたくない。まだ戦う気力はある。家族のためにも、ここで終わるわけにはいかない。そう思い、あらゆる選択肢を調べて、たどり着いたひとつの治療。標準治療ではないため、科学的根拠は十分ではない。でも、自分と同じような症例での、治療実績もあるようだ。
実際にその治療を行っている病院へ行き、医師に直接聞いたら、自分の状態であればその治療を受けることができ、しかも治療効果がある可能性との回答。
『よしっ、これに賭けてみよう!』
そう思い、集めようとした治療費の300万円・・・。しかし、集めようと思ったお金が集まらない・・・。お金がないから選択ができない、これも現実です。
起きる前だからこそできる
当たり前のことですが、ことが起きる前でなければ、備えはできません。タイムマシーンで、未来の出来事がわかっていれば、必ず準備をすると思います。ただ実際には、なかなかきっかけがなく、アクションを起こさないということも多いと思います。
がんも同じことです。健康に不安がない人であれば、考えようと思わないかもしれません。身近な人で、がん患者さんがいれば多少違うかもしれません。でもそれでも、果たしてどこまで自分事として考えられるでしょうか。
また、考えなければいけないと思いつつも、結局日々の忙しさに忙殺されてしまっている・・・。これもまた現実です。一方、どこかで、『自分は大丈夫』と思ってしまうのも、これまた本音であったりします。
ですから、がんを考える時間となる
がん保険の検討時
は、大切な時間です。是非その時は、深く考える時間をとっていただきたいと思います。
次回は『『がん保険』のトリセツ、その心は・・・』というタイトルで、『がん保険』のトリセツを通じて、真にお伝えしたいことについて、触れていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。