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【15】4つのがん療養~『がん保険』のトリセツ~

前回は『保険適用外のがん治療』というタイトルで、日本でよく聞かれる手術、放射線、抗がん剤などの3大治療以外にも、たくさんのがんの治療方法があるということを確認いたしました。

本屋の医療コーナーに行くと、がん関連の本もたくさんあることに気づきます。そこには、治療の本もそうですが、ヨガであったり、がんが消えるスープといった、医療とは離れたものもあります。

そこで今回は、今一度標準治療なども含めて、

がんになってしまった時の療養方法

について、一緒にみていきたいと思います。

私たちの選択肢を俯瞰してみる

私たちがもしがんの診断を受けてしまうと、基本は標準治療の中から、具体的な治療方法を提案されます。前回までに、先進医療など、ほしい情報は自分で取りに行かなければならないということをお伝えしましたが、がんになってしまうと自分の望みとは関係なく、周りの人(親戚や友人など)が良かれと思って、いろいろな情報を持ってきてくれることがあります。それにより、いろいろ振り回されて、かえってストレスをかかえてしまうこともあるようです。例えば・・・

・あそこの病院の方がいいみたいだよ
・免疫療法は、高額がだけど副作用が少なくていいみたいだよ
・この水飲むとがんにいいらしいよ
・食事は肉などをやめて、玄米菜食にした方がいいみたいだよ

などなど、いろいろな情報が入ってくることがありますが、その情報が

どういったポジションからの情報なのか

ということを知っておくと、判断する際にブレがなくなり、振り回されてしまうことを避けられるかもしれません。下の画像の図は、私たちが日本でがんに対して、費用をかけて行う療養をマトリクスにしてみたもので、私がセミナーなどを行う際に使用しているものでもあります。療養方法は、大きく4つに分類できますが、整理していきます。

【画像】4つのがん療養

治療に対するスタンスからの分類

まず最初に、がんに対してどのようなスタンスで立ち向かうかという分類で、上の段と下の段に分かれます。上の段には、今まで見てきた標準治療や先進医療を含めた自由診療があります。これらをまとめると、

今あるがんを消し去るために、積極的にがんを叩く

ために行う療養です。一方、下の段2つには、今まで出てこなかった緩和ケア、補完代替療法とありますが、どちらも直接的にがんを消すというためというより、

がんと共存し、生活の質を高めて(もしくは維持)していく

ための療養です。緩和ケアは、がんの治療で出てくる痛みや苦しさを緩和させるために医療行為として行わるものです。一方の補完代替療法は、いくつか例をあげると、漢方薬、気功、鍼灸、指圧、マッサージ、カイロプラクティックなどのほか、いわゆる民間療法、健康食品、サプリメントも含まれます。

健康保険が適用になるかどうかからの分類

次に、右と左の分類ですが、これは保険証が使えるかどうかの分類です。左側が、標準治療や、それにともなう苦しさを緩和する緩和ケアであるのに対し、右側は保険証がきかないため、原則全額自己負担で受けるものです。

ネットで検索すると、たくさんの自由診療を行うクリニックや、補完代替療法に分類される情報が出てきますが、

余命3か月の末期がんが消えた!!

などといった、キャッチコピーが目を引きます。もしかしたら本当にがんが消えた人がいたのかもしれませんが、何人のがん患者さんに行って、どのくらいの方のがんが消えたのかというところが大切です。そういった根拠の部分を確認する必要があります。

また、こちら側の療養では、サプリや健康食品等、比較的気軽に手を出しやすいものも多いので、割と多くの方が何かしら取り入れているようです。静岡県立静岡がんセンターによると、がん患者さんのおよそ2人に1人が何らかの代替療法を取り入れているとのことで、行う際には安全性の確認とあまり高額な費用にならないよう注意喚起しています。

あらためて国や主治医の先生の立場を知り、そして自分の方針を持つ

すでに診療ガイドラインや標準治療について触れましたが、一般的な病院では、主治医の先生は、標準治療を提案し、その治療を行っている際に、患者さんが痛かったり、苦しかったりしたら、それを取り除く緩和ケアを合わせて行い、

がんの消滅(縮小)と生活の質(QOL)の維持

を目指していきます。また、それが国の方針でもあります。もしあなたがその国の方針に賛同するのであれば、主治医の先生とよくおはなしして、その中で結論を出せばいいと思います。仮に周りからいろいろ

ああしたらこうしたら・・・

といったアドバイスがあっても、『よかれと思って言ってくれているんだ』程度で聞き流しておけばいいと思います。でも、自分自身の方針が定まっていないと、入ってくる情報すべてに振り回されて、結局どうしていいかわからない、主治医の先生も信用ができないと、疑心暗鬼になってしまいます。

たくさんあふれる情報の出どころをしっておくことで、落ち着いた判断ができるのではないでしょうか。次回は、よく耳にする『がんのステージ』というタイトルで、がんの進行とその中身について触れていきたいと思います。今回もお読みいただき、ありがとうございました。


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